神奈川県公立高等学校の入学者選抜が実施された。神奈川県内で多数の塾を展開する湘南ゼミナールの協力を得て、2月17日に行われた湘南高等学校の特色検査の講評を速報する。◆問題の概要:複数の科目知識を基にした情報処理問題が多く並ぶ 湘南の特徴としてある、複数の科目の知識を基に、短時間に多くの情報処理を求める点は昨年まで同様に継続された。思考に重きが置かれている点については変わらないものの、1つ1つにかかる時間が昨年よりも短いものが増え、全体的には対応しやすいものとなった。 問1は表現技法についての問題。問2は与えられた情報をふまえて当てはまるものを思考する問題。問3は科目に拠らない知識を活用しながら、複合的な思考が求められる。問4はしくみは単純ながら、パズルの原理を見抜いた上で活用するものとなっている。設問数が多く、また作業も多いため、処理の速度が求められる。◆設問の特徴:持っている知識の横断的活用を、速く正確に行うことがポイント 知識をそのまま問うような問題は少なく、そこに新たに情報を加え、その知識と情報をどれだけ活用できるかに重きが置かれている。そのため、特色検査で求められる能力、「読み取り(理解)・思考・表現」の中では、読み取りと思考の要素を求める問題が多い。 問1は、普段使っている言葉に対して、その表現技法の特徴を読み取った上で、当てはまるものを答えるものであった。記述の問題も含めて、条件に一致するものを答える思考・処理が求められた。 問2や問3のように、それぞれの科目の知識を活用する問題と見える問題もあったが、単純に知識が問われるものではなく、考えるための情報が多く与えられており、その情報をどのように活用するかが問われている。 問4はまさにパズルであり、科目の知識を要しない問題。リード文の情報をヒントに、法則を見つけ、その法則を基にした作業を速く正確に行う力が求められた。 これらの問題から、単純に知識を身につけることよりも、その知識や新たに加わった情報を、いかにして使えるようにするか、が求められている。◆課題と対策:素早く正確な読み取りと柔軟な思考力が目標 湘南対策としては、与えられる情報をすばやく理解し、その情報を正確に活用する練習や、合理的な解法を追求する練習が必要となる。また、ものごとを抽象化することやその抽象化されたことを具体的に活用することが、科目の枠を超えて求められている。そのため、理科や社会における資料や実験結果をふまえた思考のように、普段の授業からものごとの根拠を考える練習が必要である。また、数学の応用問題だけでなく、国語や社会のような文章読解・資料問題も含めて、いかに合理的に解くかを常に追求しながら学習を進めてほしい。 なお、2月16日に実施された共通選抜の学力検査5教科の正答と問題は、リセマム内の「2015年度 神奈川県公立高校入試(問題・正答)」ページにて閲覧できる。