突然の子どもの病気…共働きでも「母親が休む」6割

 突然子どもが病気にかかったとき、共働き家庭では勤務面・心理面ともに母親の負担が大きいことが、日本病児保育協会の調査でわかった。子どもが病気のとき、「母親が仕事を休む」家庭が62.7%、「父親が仕事を休む」家庭は7.8%だった。

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勤務先で実際に利用している制度は(いくつでも)
  • 勤務先で実際に利用している制度は(いくつでも)
  • 子どもが病気になったときの対応(もっとも多い対応を1つ)
  • 子どもに関わる場面ごとの役割分担
  • 子どもが病気になったときの気持ちや状況
  • 子どもが病気になったとき、父親と母親の負担感の割合
  • 病児保育サービスに関して
 突然子どもが病気にかかったとき、共働き家庭では勤務面・心理面ともに母親の負担が大きいことが、日本病児保育協会の調査でわかった。子どもが病気のとき、「母親が仕事を休む」家庭が62.7%、「父親が仕事を休む」家庭は7.8%だった。

 同調査は5月22日~6月8日に、小学校就学前の子どもを持つ共働き(1週間の所定労働時間が30時間以上であること)の父親・母親を対象に実施。首都圏、近畿圏、その他の3地域から、男性、女性各100名、合計600名の回答を得た。600名のうち、ひとり親50名の回答も含まれている。同一世帯内での複数回答は不可とし、1世帯につき父親、母親どちらか一方が回答している。

 子育てと仕事の両立を支援する制度の利用に関して、「短時間勤務」を利用している母親は27.8%に対し、父親は8.6%。「看護休暇」を利用している母親は17.9%、父親12.3%。「フレックスタイム」の利用では母親12.6%、父親15.4%と、父親の割合が高かった。「短期間勤務」の利用に関しては、性別差が大きいようだ。

 子どもが病気にかかったとき、仕事を休むのは「母親」が62.7%、「父親」7.8%と、母親の割合が大きい。父親が病気の子どもに関与するのは「土曜日にかかりつけの医療機関の受診に子どもを連れていく」が23.7%と、土曜日などの休日が多く、平日の急な予定変更に父親が対応しているケースは約1割と少ない。

 子どもが病気になったとき、「仕事を休むと職場に迷惑をかけると感じる」母親は67.7%。マクロミルが2002年に実施したワーキングマザーに関する調査でも、「子どもの病気で遅刻や欠勤をすることがあり、周囲に迷惑をかけてしまう」と感じている母親が72%と、ほぼ同じ水準であることから、10年以上経過した今でも、「子どもの病気」は子育てと仕事の両立するうえで大きな悩みであることがわかるという。

 子どもが病気になった場合の負担感の割合は、母親の33.0%が「自分の負担が90~99%(父親の負担は1~9%)」と回答し、「母親の負担が100%(父親の負担は0%)」という回答も22.6%あった。父親側から見ると、「父親の負担が20~29%(母親の負担が70~79%)」という回答が22.5%ともっとも多く、「父親の負担が0%(母親の負担が100%)」という回答は5.4%と、父親と母親の意識にも大きな差が見られた。

 病気にかかった子どもを預けることができる病児保育サービスの認知は全体で55.2%だったが、病児保育を利用したことがある世帯は11.7%、今後病児保育を利用したいと考えている世帯は37.3%だった。男女別に見ると、サービスの認知や今後の利用意向はいずれも母親のほうが高く、今後病児保育を利用したいと考えている母親は48.3%と、病児保育がさらに求められる傾向にあるようだ。
《外岡紘代》

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