--中学生・高校生モデルの違いや、有効な学習方法を教えてください。辰巳氏:まず、中学生用と高校生用はコンテンツが大きく違います。高校生モデルは、学校の先生がよく使う、推薦している辞書を複数搭載しています。たとえば英語関連なら、英和5、英英3、和英3と計11の辞書があり、ユーザーがマイ辞書を選べる形にしています。また、参考書をアプリ化するなど、高校入学から大学受験までずっと使っていただけるようなコンテンツを搭載しています。 中学生モデルでは、英語の本格的なスタートにあたって基礎を高めるよう、英語学習アプリ「ATR CALL for Brain」をはじめとした基本的な学力を底上げできるコンテンツに力を入れました。 共通の機能としては、画面上で特定の単語などを隠せる“暗記ツール”があります。手軽に使え、学習効果を高められる有効な手段です。また、英文、漢字など、ありとあらゆるコンテンツをすべて発音してくれるので、とにかくわからない言葉はザクザク引いて、ザクザク覚えていく。そういった学習の方法も有効です。--買い替えのタイミングや、モデル選びに悩むという声もありますが。辰巳氏:Brainシリーズでは、中学生、高校生、大学生・ビジネス・語学、生活・教養などのモデルがありますが、たとえば中学生が高校生モデルを購入しても十分使っていただけます。とはいえ、紙の辞書と同じで、グレードが高いと語彙が多すぎて、むしろ学習効果が下がってしまうこともあるので注意が必要です。--電子辞書を購入する時期は、いつが多いでしょうか。辰巳氏:一番多いのは、高校入学の前後。直前のクリスマスや春休み、また入学後などが多くなっています。中学生モデルは小学校高学年にも対応しているので、その時期に買われる方もいらっしゃいます。--今回の新機能などで苦労した点はありますか。辰巳氏:あいまい入力については、間違った単語を入力したために辞書が引けないというケースも多く、「正しい辞書を正しく使っていただく」手助けをしたいということで搭載しました。導入にあたっては、まず語彙をすべて洗い出し、語彙の乱れを収集したデータベースを組み合わせました。語彙の量は増やすと精度は上がりますが、その分スピードが落ちてしまいますので、その調整に苦労しました。 また、より自然な発音、自然なスピードになるように、地味な部分ではありますが、声の質などの細かいところも改善しています。 これからの国際社会に対応するため、英語コンテンツの充実、そして操作性を強化したモデルを今後も開発していきたいと考えています。--ありがとうございました。 イードは電子辞書を所有する中高生の保護者を対象に2015年5月14日~26日にインターネット上で調査を行い、電子辞書の「操作性」「検索機能」「画面の見やすさ」「閲覧性」「携帯性」「デザイン」「耐久性」「コストパフォーマンス」および「総合」の満足度を5段階評価で聞き、2015年6月に「イード・アワード2015 電子辞書」を発表した。シャープのBrainは最優秀賞のほか、「画面の見やすさ」「閲覧性」の2つの部門賞も受賞している。※ Brainは、2012年、2013年は高校生部門、2014年は中学生部門・高校生部門、2015年は総合で最優秀賞を受賞。