司法試験、2016年は現職教員を問題作成から除外

 法務省は10月21日、平成28(2016)年司法試験の考査委員には、法科大学院の現職教員を従事させないとする基本方針を明らかにした。平成29年以降の司法試験考査委員体制については、検討を継続していく。

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 法務省は10月21日、平成28(2016)年司法試験の考査委員には、法科大学院の現職教員を従事させないとする基本方針を明らかにした。平成29年以降の司法試験考査委員体制については、検討を継続していく。

 平成27年司法試験では、考査委員を務めていた明治大学法科大学院の教授が教え子に出題内容を漏えいしたことが発覚。事件を受けて設置されたワーキングチームが10月21日に平成28年司法試験考査委員の体制について提言を行い、法務省の司法試験委員会が了承した。

 提言では、平成28年司法試験では、短答式試験、論文式試験いずれにおいても研究者・実務家を問わず、法科大学院で現に指導している者は問題作成に従事しないと明記。法科大学院教育の実情を知る者が試験に関与することが望ましいとの考えから、かつて法科大学院で指導していた研究者、学部のみの指導にかかわっている研究者らが実務家とともに問題作成を行う考査委員体制とすることが相当とした。

 ただ、論文式試験の採点については採点者が受験者を特定できない状況での運用が確立されていることなどから、従来通り法科大学院の現職教員が考査委員になることも差し支えないとした。

 平成28年司法試験の問題作成のスケジュールに一部遅れが生じていることから、今後は提言の基本方針に従って、平成28年司法試験考査委員の選任を早急に進めていく。

 なお、今回の提言は平成28年の考査委員体制に限定したもので、平成29年以降の司法試験についてはあらためて必要な提言を行う予定だという。
《奥山直美》

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