高等学校基礎学力テスト、平成31年度実施は国・数・英の3教科

 高校段階の基礎学力の定着度を把握・提示するための「高等学校基礎学力テスト(仮称)」について、文部科学省は2月24日、基本的考え方の素案(たたき台)を公表した。複数レベルの問題から学校が選べる仕組みとし、平成31年度の導入当初は国語、数学、英語の3教科とする。

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高等学校基礎学力テストの全体イメージ(たたき台)
  • 高等学校基礎学力テストの全体イメージ(たたき台)
  • 高等学校基礎学力テストの試験問題の作成・収集などの仕組み(たたき台)
  • 基礎学力の定着・向上のための高等学校基礎学力テストの活用方法イメージ(たたき台)
  • 高等学校基礎学力テストの位置付けや目的などを踏まえた出題の方向性(たたき台)
 高校段階の基礎学力の定着度を把握・提示するための「高等学校基礎学力テスト(仮称)」について、文部科学省は2月24日、基本的考え方の素案(たたき台)を公表した。複数レベルの問題から学校が選べる仕組みとし、平成31年度の導入当初は国語、数学、英語の3教科とする。

 2月24日開催の第12回高大接続システム改革会議において、「高等学校基礎学力テスト(仮称)の問題に関する収集・作成・精査・確定等の方針策定に向けた基本的考え方(素案・たたき台)」と題した資料が公表された。平成28年度以降に方針策定される予定となっているテスト問題の収集・作成・精査・蓄積に関して、基本的な考え方を整理した素案(たたき台)となる。

 これによると、基礎学力テストは高校生の多様性を踏まえ、同一問題・一斉実施といった従来型のテストではなく、複数レベルの問題から学校が選んで受検する仕組みを目指す。テストは、コンピューターを利用したCBT方式での実施を前提としている。

 実施時期は、学校行事などを考慮して柔軟に設定できるようにする。結果は、生徒の基礎学力の定着度合いに応じた目標準拠型の評価を段階表示で提供するという。

 出題教科は、平成31年度の導入当初は国語、数学、英語の3教科。出題範囲は、現行の学習指導要領において全生徒の共通履修科目である「国語総合」「数学I」「コミュニケーション英語I」を上限とし、義務教育段階の内容も含める。

 試験時間は、学校の正規の教育課程の中でも対応できるように各科目50~60分程度を想定。出題方法は、選択式(正誤式、多肢択一式など)、短答式(記述)に加え、設問が求める条件に沿って数十字・語程度で解答を記述する問題の導入も目指す。英語では、4技能(聞く・話す・読む・書く)評価も含むとしている。

 作問にあたっては、全国の教育委員会や高校、関係団体などに対して既存問題の収集を依頼。問題の作成・提供、解答の送付・採点、結果の返却については、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の例を参考に民間事業者などの活用を想定している。

 資料では、出題の方向性(たたき台)も提示。出題の工夫の一例(イメージ)では、「日常的に触れる機会の多い素材(文章やシチュエーション)を問題に取り入れる」「進学後の学修や就職後の社会生活の場面を意識させる問題設定を行う」としている。
《奥山直美》

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