【大学受験2016】推薦・AO入試で「英検」を利用した大学は約98%

 旺文社教育情報センターは4月4日、2016年度大学入試における英語外部試験の利用状況について調査結果を発表した。推薦・AO入試での利用状況を調査したところ、各大学・試験における外部試験の採用率では「英検」が97.6%と圧倒的シェアを占めた。

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英語外部試験利用の状況
  • 英語外部試験利用の状況
  • 英語外部試験の利用方法
  • 英語外部試験を利用する際の求められるレベル(英検級換算)
  • 英語外部試験別の求められるレベル
  • 英語外部試験の採用率(学部系統別)
 旺文社教育情報センターは4月4日、2016年度大学入試における英語外部試験の利用状況について調査結果を発表した。推薦・AO入試での利用状況を調査したところ、各大学・試験における外部試験の採用率では「英検」が97.6%と圧倒的シェアを占めた。

 今回の調査は、英語4技能の育成の必要性とともに、文部科学省で大学入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進が検討されていることを受け、2016年度の推薦・AO入試における英語外部試験の利用状況を調べたもの。

 2016年度の推薦・AO入試で英語外部試験を利用した大学は、国公私立大で合計271大学。全746大学の36%にあたり、国立大学は23校(28%)、公立大学19校(22%)、私立大学229校(40%)となった。

 各大学・試験において採用された外部試験は、「英検」がもっとも多く97.6%。次いで「TOEIC」82.6%、「TOEFL iBT」75.1%と続いた。旺文社教育情報センターは、「英検」の利用率の高さの理由をは出題内容が学習指導要領に沿っていることにあると分析し、英検が「日本の高校教育現場に深く浸透している表われ」とした。この結果から、推薦・AO入試では、「英検」であればほぼすべての大学をカバーできる。「TOEIC」「TOEFL」は上位大学での利用が中心であった。

 英語外部試験の利用方法について見ると、AO入試では評定平均値を課さない大学が多いことから「出願資格」としての利用が多く70.4%。一方、公募推薦ではおもに私立大で「評価加点」を行うケースが多く、より確実に英語の実力を備えた学生を確保したい大学の意図を反映してか、「出願資格」56.2%に次いで「評価加点」24.1%となった。

 また、推薦・AO入試において求められるレベルについて、各試験で判定される結果を文部科学省発表のCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠、語学のコミュニケーションレベルを示す標準規格)の対照表を使用してレベル統一を行い、英検級に換算して比較した。

 すると、大学全体では8割を超える入試でCEFR A2~B1(英検準2級~2級相当)が設定されているのに対し、国公立大ではさらに上級のB2(英検準1級相当)まで求められる傾向にある。大学全体では英検2~準2級で80%以上の入試要件を満たすことができるが、国公立大だけで見ると、少し上のレベルにスライドし、準1級以上を要求する入試が16%以上見られた。

 コミュニケーションの手段としての英語力の重要性は文系・理系を問わず、どの分野の職業においても今後一層高まると思われる。大学教育のグローバル化と入試改革における評価の多面化などの時流とあいまって、英語外部試験の利用率は今後さらに広がる見込みだ。
《畑山望》

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