食育に関する意識と実態を調査すると、家で食べ物や食事について守るように言われていることでは、「好き嫌いをしない」「食卓にひじをつかない」「食べ物を粗末にしない」「いただきます、ごちそうさま、と言う」などさまざま。「おはしを正しく持っている」と答えた子どもは、2005年58.0%、2011年72.5%、2016年76.3%と推移しており、11年前より2割増加していることがわかる。中学生では、「食事中に電話やメールをしない」と言われる割合が高く、小学生37.0%に対し中学生60.0%と23ポイントの差があった。 食べ物や食事について行ってきたことでは、「食器をならべる、料理を運ぶ」「食事後の食器を運ぶ」のほか、男子の33.0%、女子の50.5%が「食事のしたく」を行ったことがあり、「お米をとぐ」「野菜などの皮をむく、切る」「ご飯を炊く」「野菜などを洗う」などが多かった。作った料理では「カレー」がもっとも多く、その後は「野菜炒め」「卵焼き」「味噌汁」が続いた。 食の安全への関心度では、「とても関心がある」「まあ関心がある」あわせて60.5%。また、84.3%は安心して食べられないと思う時が「ある」と答えており、ここ1年間の印象に残った「食」に関するニュースでも「異物混入事件」がもっとも多かった。 学校でお米や野菜を育てたことがあるかと聞くと、8割以上の小中学生に経験があった。育てたものではトップの「米」が圧倒的に多く、そのほかは「トマト」「ゴーヤ」「ミニトマト」「なす」など。育ててみた感想では、「楽しい」55.6%、「たいへん」50.6%、「むずかしい」49.4%、「面白い」34.6%が多かった。 今回の調査結果は、2005年・2011年に実施された調査との比較検証が行われている。農林中央金庫によると、食事のしたくを手伝う子どもの増加、食べ残しの減少、おはしを正しく持てる子どもの増加など、食に対する意識の高まりが見えるという。調査結果は農林中央金庫ホームページに掲載されており、今回の調査結果のほか過去の調査報告書も閲覧できる。