夏の感染症「ヘルパンギーナ」西日本で流行、症状や予防法は?

 夏風邪の一種「ヘルパンギーナ」が、香川や佐賀、広島など、西日本を中心に流行し始めている。日本では毎年、5月ごろから患者が増え始め、7月ごろにかけてピークとなるほか、例年、西から東へ流行が推移する傾向にあることから、今後の流行拡大に注意が必要だ。

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 夏風邪の一種「ヘルパンギーナ」が、香川や佐賀、広島など、西日本を中心に流行し始めている。日本では毎年、5月ごろから患者が増え始め、7月ごろにかけてピークとなるほか、例年、西から東へ流行が推移する傾向にあることから、今後の流行拡大に注意が必要だ。

 ヘルパンギーナは、発熱と口の中にできる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎。乳幼児を中心に夏季に流行する、いわゆる夏風邪の代表的疾患。潜伏期は2~4日。突然の38~40度の発熱に続き、咽頭痛、口腔内の小水疱が出現する。全身倦怠感、食欲不振、嘔吐、四肢痛などを伴う場合もある。

 国立感染症研究所の速報データによると、第22週(5月30日~6月5日)の全国の定点あたりの患者報告数は0.42人で、前週の0.25人から急増している。都道府県別では、香川県の2.71人が最多。このほか、佐賀県1.91人、広島県1.67人、島根県1.61人、鳥取県1.58人、福岡県1.42人、滋賀県1.22人、山口県1.13人と続き、西日本で患者が増えている。

 定点あたりの患者報告数が2.71人と全国でもっとも多い香川県では、西讃地区で6.5人と警報レベルを上回っている。香川県では、プールが始まる時期であることから、ヘルパンギーナをはじめ、手足口病や咽頭結膜熱など、夏の感染症に気を付けるよう呼び掛けている。

 国立感染症研究所によると、ヘルパンギーナの特異的な予防法はないが、感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の消毒を励行することなどが予防になるという。
《奥山直美》

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