高校生の情報活用能力、考察・表現に課題

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情報活用能力調査の概要
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  • 情報活用能力調査(高等学校)の結果
 文部科学省は、「情報活用能力調査(高等学校)」の結果を公表。生徒の情報を読み取る能力は高いが、統計情報を数的に処理することに課題がみられた。また、インターネット上のルール意識が高い生徒ほど得点が高かった。

 調査は、生徒の情報活用能力の実態を把握、学習指導の改善や教育課程の検討のための基礎資料を得るなどを目的に実施。高等学校および中等教育学校後期課程の2年生4,552人を対象に、平成27年12月から平成28年3月に行った。生徒には情報活用能力調査としてコンピューターによるテスト(40分×2)とコンピューターによる質問調査のほか、学校(おもに校長)へも質問調査を行った。

 平成25年に実施した小中学生の調査と比較して、コンピューターの操作能力は高くなっており、与えられた情報の意味を理解する問題は比較的よくできている。一方で、必要な情報を主体的に検索したり、関連づけて考察し表現する能力については課題があることがわかった。

 調査では教科横断的で汎用的な能力を測定するため、「情報活用の実践力」「情報の科学的理解」「情報社会に参画する態度」の3観点に沿って実施した。「情報活用の実践力」では、表や図が含まれる整理されたテキストからコンピューターウィルスの現状を読み取る問題に77.7%の生徒が正答。一方で、ある事象を調べるためにどのようなデータを入手したらよいかを具体的にあげ、適切な理由を説明する問題に正答した生徒は14.9%で、傾向を推測するためにどのような情報が必要か明確にすることに課題がみられた。

 「情報の科学的理解」「情報社会に参画する態度」では、ロボット掃除機の動作を示した要素をドラッグしてフローチャートを完成させる問題に46.2%が正答。自動制御に関する情報処理の手順を考えアルゴリズムを用いて表現することに課題がみられた。

 また、SNSの書き込み問題点(情報モラルに反している点)を指摘する問題には80%の生徒が正答しているものの、Webサイトで公開したい写真を肖像権に留意して加工する問題に正答したのは40.6%と半数以下だった。Webサイトの情報を利用する際の出典や引用に関わる問題点を具体的に説明する問題は、準正答以上の生徒が54.4%、完全正答した生徒が3.8%だった。

 生徒用質問調査では、課題や問題点を解決しようとする場合に、「関連付け」「取捨選択」「優先順位付け」「振り返り」といった自己の認知活動を意識的にコントロールする「メタ認知的方略」を取る生徒ほど得点が高くなっていることがわかった。また、ICTにおける動機付け、自己信念に対しては、「コンピューターやインターネットは、将来の仕事や勉強に役立つ」といった、「道具的動機付け」やルール・マナーへの意識が高い生徒ほど得点が高くなった。
《田中志実》

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