挑戦的な研究を積極的に支援…文科省、科研費改革について提言

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科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について
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 文部科学省は1月17日、科学技術・学術審議会学術分科会における科学研究費助成事業(科研費)の抜本的改革に関して「科学研究費助成事業の審査システム改革について」「科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について」の2つの提言をまとめた。

 近年の日本の学術研究は、研究者の自由なボトムアップ研究をめぐる環境の劣化や、短期的な成果を目指した研究が増加する一方、長期的視点に立った挑戦的な研究が減退するなどの問題が顕在化しているという。また、日本の論文生産の順位などにおける存在感も低下している。

 そこで、学術研究を支える唯一の競争的資金である科研費により、学術の枠組みの変革・転換を志向する挑戦的な研究を積極的に支援し、学問の閉鎖性(たこつぼ化)を是正する審査システム改革との一体的な見直しを推進する。

 「科学研究費助成事業の審査システム改革」では、近年の応募動向を踏まえ、審査の質をさらに高め、より独創的で優れた研究成果の創出を目指す。このため、現行の審査区分を廃止し、新たな「審査区分表」を作成するとともに、一定規模以上の研究種目については、多角的な審査をする「総合審査」を導入するとした。

 「科研費による挑戦的な研究に対する支援強化」では、学術に変革をもたらす大胆な挑戦を促すため、現行の「挑戦的萌芽研究」を見直し、最大2,000万円を助成する「挑戦的研究」を創設。「挑戦的研究」では論文などの実績よりもアイデアの斬新性などを重視する。

 また「若手研究」はオープンな場での切磋琢磨を促すため、平成30年度助成より大型の「若手研究(A)」を「基盤研究」に統合することや、研究者として独立に必要な研究基盤の整備を目指し所属機関と連携した重点支援の仕組みの新設、「若手研究」の応募要件を博士号取得後8年未満の者に変更するなどを提言。これらの取組みを中心に「若手支援プラン」を策定するとしている。

 さらに「特別推進研究」では「挑戦性」を一層重視。助成対象の新陳代謝を促進するため、平成30年度助成より同一研究者の複数受給を不可とするとした。

 今後の検討課題として分野間の資源配分や審査負担の在り方を検討することや、「新学術領域研究」の見直しについて平成32年度助成を目標に検討していくことがあげられている。

 今回の学術分科会の報告書は、昭和43年に基本的な仕組みが導入されて以来、半世紀ぶりの抜本的な見直しを提言するものとなった。今後、文部科学省では、これらの提言を踏まえ、実施方針を改訂し、平成30年度助成(平成29年9月公募)を重要な節目として、諸政策を進める予定だという。
《外岡紘代》

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