小学校教員の勤務時間は1日10時間32分…働き方改革に向け部会始動

 文部科学省は7月24日、11日に一橋大学内で開催された「学校における働き方改革特別部会」第1回の配布資料を公開した。教職員の業務負担軽減や働き方改革に向けて、今後は学校と教職員が担うべきそれぞれの業務の在り方などについて議論する予定。

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文部科学省 学校における働き方改革特別部会(第1回) ※画像はイメージ
  • 文部科学省 学校における働き方改革特別部会(第1回) ※画像はイメージ
  • 教員の1日あたりの学内勤務時間 画像:文部科学省 教員勤務実態調査(平成28年度)の集計(速報値)について(概要)
  • 1週間あたりの学内総勤務時間数の分布(教諭) 画像:文部科学省 教員勤務実態調査(平成28年度)の集計(速報値)について(概要)
 文部科学省は7月24日、11日に一橋大学内で開催された「学校における働き方改革特別部会」第1回の配布資料を公開した。教職員の業務負担軽減や働き方改革に向けて、今後は学校と教職員が担うべきそれぞれの業務の在り方や、学校の組織運営体制について議論を重ねる予定。

 文部科学省が平成28年10月から11月にかけて行った平成28年度の教員勤務実態調査結果によると、教員1日あたりの学内勤務時間は小学校教諭が10時間32分中学校教諭が11時間と、前回調査(平成18年度)と比較して小学校平日43分・土日49分、中学校平日32分・土日1時間49分の増加傾向にあった。

 1週間の学内総勤務時間を見ると、小学校教諭は55~60時間未満が24.3%、50~55時間未満が24.1%。中学校教諭は60~65時間未満が17.0%と最多で、55~60時間未満が16.5%が続く。

 教育現場の業務改善についてはこれまでもさまざまな意見が寄せられており、平成29年6月に開催された中央教育審議会総会や同27日に行われた初等中等教育分科会では「教員のしごとの範囲が広がり過ぎており、教員の業務量の軽減を実施していくべき」「教員の業務を減らすにあたり、その業務を誰が担うのか、明確にしておかなければならない」「欧米では学校に多くの事務職員を配置しており、教職員の職務範囲をしっかり示すことが大事」などの意見があがった。

 部活動への携わり方についても多数の意見が寄せられている。具体的には、「大会や試合の精査が必要」「専門的な指導ができない教員とモチベーション高く指導していた教員がいることを踏まえて検討すべき(原文まま)」「部活動支援員について、身分や処遇について地域差がある」などの意見があった。

 「学校における働き方改革特別部会」は今後、寄せられた意見も踏まえながら、小学校・中学校といった学校種や副校長、教頭といった学校職員の職種の違いも考慮しながら、業務改善について検討を進めるとしている。

 おもな議題は「学校が担うべき業務の在り方について」「教職員が担うべき業務の在り方について」「学校の組織運営体制の在り方について」「教員の勤務の在り方について」の4つの案が提示されている。業務の精査や担当者、それぞれの業務の責任所在などを明らかにしながら、専門人材や支援員、ICTの活用などを含め、議論を進めていく予定。勤務状況を踏まえた処遇も問われる見込み。
《佐藤亜希》

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