花粉症の母親の子、8割は花粉症…60代以上は軽症傾向

 いまや国民病とも言える花粉症。毎年その症状に悩まされている人も多いのではないだろうか。大人の花粉症については、世代が若いほど「重症」が多く、世代が高くなるにつれ「軽症」が増える傾向にあることが、ロート製薬が実施した調査により明らかになった。

生活・健康 その他
花粉症の程度について(大人調査)
  • 花粉症の程度について(大人調査)
  • 毎年の花粉症の症状について(大人調査)、花粉症の発症年齢について(大人調査)
  • 子どもの親の花粉症について(子ども調査)
  • 病院での診断について(子ども調査)
  • 副鼻腔炎の発症について(子ども調査)
  • 副鼻腔炎の発症について(大人調査)
  • 花粉症の程度と副鼻腔炎の発症について(大人調査)
 いまや国民病とも言える花粉症。毎年その症状に悩まされている人も多いのではないだろうか。大人の花粉症については、世代が若いほど「重症」が多く、世代が高くなるにつれ「軽症」が増える傾向にあることが、ロート製薬が実施した調査により明らかになった。

 ロート製薬は、花粉症対策への啓発を目的に、「花粉症の症状を実感する」と答えた20~79歳までの男女500人と、0~16歳の子ども500人(同居する女性が回答)を対象に花粉症に関する実感調査を実施した。調査期間は2017年11月1日~2日。

 花粉症を実感している大人500人に花粉症の症状の程度を聞いたところ、「軽症」の割合は全体43.6%に対して60代以上では61.1%と、世代が上がるほど「軽症」の割合が増加。特に20代の「軽症」30.1%、「中等症」49.3%、「重症・最重症」16.4%に対して、60代以上では「軽症」61.1%、「中等症」31.9%、「重症・最重症」6.9%となった。

 さらに、花粉症の症状が「年齢を重ねるにつれて楽になってきたと感じる」と回答した大人は、全体19.6%に対して60代以上では26.4%に。花粉症を発症した平均年齢は「軽症」36.28才、「中等症」26.34才、「重症・最重症」21.90才と、「重症・最重症」の人ほど早くから発症していることがわかった。

 花粉症の専門医の見解によると、世代が高いほど花粉症が軽症化する背景には「免疫系の衰え」「環境の変化」「食生活の変化」などが関係していると考えられるという。若い世代は、環境が衛生的になりすぎて2歳頃までに細菌に感染する機会が減ったことや、ファーストフードなど糖分・脂質過多な食生活が普及したことにより、アレルギー反応が起きやすくなっているという。

 また、花粉症を実感している子どもの母親500人のうち、85.2%が「自分か夫が花粉症」もしくは「両親ともに花粉症」と回答。「妻も夫も花粉症ではない」と答えた人は11.2%と約1割にとどまり、親が花粉症の場合、子どもも発症するケースが多い傾向にあるようだ。子どもの花粉症は他人からはわかりづらく、特に親が花粉症でない場合は発見が遅れがちだという。集中力の低下など生活への影響も懸念されるため、早めからの発症予防や対策が重要だ。

 花粉症の症状が出ているとき、鼻の奥にある副鼻腔の炎症が広がる「副鼻腔炎」の症状を併発した子どもは56.4%、大人では45.0%という結果に。大人の程度別にみると、「軽症」の人で39.4%、「重症・最重症」の人で56.6%と、花粉症が重いほど「副鼻腔炎」を併発する割合が高くなった。「副鼻腔炎」を発症すると、鼻づまりや息苦しさ、ネバネバ(粘性)の鼻汁、頭重などの症状を引き起こし、慢性化すると治りづらくなるため注意が必要だという。
《畑山望》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top