大阪大学、H29年度試験で30人不合格…外部者がミス指摘

 大阪大学は平成30年1月6日、平成29年度時点の大学1年生らが受験した平成29年度(2017年度)大阪大学一般入試(前期日程)等の理科(物理)における出題および採点に誤りがあったことを発表した。

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  • 出題および採点に誤りがあった平成29年度前期日程 大阪大学の入試問題(1/3)
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  • 平成29年度大阪大学一般入試(前期日程)等の理科(物理)における出題および採点の誤りにより採点の見直しが行われ、新合格者等となった人数
  • 平成29年度大阪大学一般入試(前期日程)等の理科(物理)における出題および採点の誤りの内容
 大阪大学は平成30年1月6日、平成29年度(2017年度)大阪大学一般入試(前期日程)等の理科(物理)における出題および採点に誤りがあったことを発表した。改めて採点および合格者判定を行い、新たに30名を合格者とした。

 出題および採点の誤りがあったのは、平成29年度大阪大学一般入試(前期日程)と帰国生徒特別入試、私費外国人留学生特別入試における理学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、基礎工学部(全学科)の理科(物理)試験。平成29年3月9日に合格発表を終えていたが、8月9日に外部の者より大阪大学理学部に問題の不整合を指摘するメールが届き、不整合が指摘されたという。

 指摘を受け、問題の問題作成責任者と副責任者が検討行い、当初は大阪大学の解答例が正しいと回答。しかし、12月4日にも別な外部者より同問題の不整合に関する指摘を受けたため、再度、問題作成責任者と副責任者および大阪大学4名の教員による検討が重ねられた。結果、12月19日に問題に不備があったことが認められた。なお、同問題は同年6月に行われた大学入試問題検討会でも同様の指摘を受けており、問題作成責任者が大阪大学の解答例が正しいと回答していたことも判明した。

 採点の見直しにより、新しく合格者となったのは30名。新合格者のうち、大阪大学への入学を希望するものは、大阪大学の当該学部学科に入学できる。入学に関わらず、新合格者全員に対しては必要な補償が行われる見込み。

平成29年度大阪大学一般入試(前期日程)等の理科(物理)における出題および採点の誤りにより採点の見直しが行われ、新合格者等となった人数
画像:新合格者等となった人数

 なお、大阪大学は理学部、工学部、基礎工学部においては、志望学科を第2志望まで選択できる入試方式を取っており、本来は第1志望学科に合格すべきところ、第2志望学科に合格し、大阪大学に在学している学生が9名いることも確認された。これらの学生で第1志望学科への転学科を希望する者については、当該学科への転学を認めるとしている。

 大阪大学総長の西尾章治郎氏は「受験生の将来に極めて大きな影響を及ぼす事態を起こしたことにより、受験生やご家族をはじめ関係者の皆様に多大なご迷惑をお掛けしましたことに、大阪大学を代表して深く反省するとともに、このことの重大性を認識し、心より深くお詫びを申し上げます。」とコメントを発表。発見から対応までの遅れは、外部からの指摘に対して組織的な仕組みを構築していなかったことがひとつの要因にあるとしている。

 新合格者には平成30年1月6日、すでに速達書留郵便にで合格通知書を送付済み。電話でも個別に連絡をしている。大阪大学は今後、厳格・厳重な問題の確認と検討を強化し、出題および採点の誤りの防止を徹底するとしている。
《佐藤亜希》

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