しかし、長い時間手にしているスマホやタブレットを利用して、自分で「何かをつくる」「動かす」ことができることを子どもに教えられる保護者は、果たしてどれほどいるだろうか?
注目度の高いSTEM教育
2020年度からは小学校でプログラミング教育が必修化される。「もの」のしくみを理解して論理的思考力を養うこと、いわば「プログラミング的思考」は社会的にも今後ますます求められるだろう。こうした背景もあって昨今STEM教育(※)にも多くの注目が集まっている。子どもたちのプログラミング教育の今を2回に渡って紹介する。
※STEM教育・STEAM教育=Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の教育
<第1回>「子どもたちは大人の発想を超えていく」プログラミング教育が今、必要な理由とは?…久木田寛直氏インタビュー」はこちら。
リセマムが小・中学生の保護者を対象に実施した調査から、小学校でのプログラミング教育は必要と考える保護者は52%、2020年からの小学校でのプログラミング教育必修化を知っている保護者は88%いることがわかった。また、プログラミング教育受講経験について(複数回答可)は、プログラム体験会・イベントに参加したことがあるという回答は45%で最も多かった。
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小学校でのプログラミング教育は必要か(リセマム調査 n=525)
家庭内でのプログラミング教育に関係する回答では、「家族が教えている」16%、「独学(本やWebサイト)で学んでいる」15%という結果となった。算数や国語のように日常的にプログラミングを学ぶ機会のある家庭はまだ少ないようだ。
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お子さんのプログラミング教育受講経験(複数回答可)/リセマム調査 n=525
「mBot」は家庭でできるプログラミング学習教材で、「STEM教育」をいち早く家庭に取り入れたい、という保護者のニーズに応え、比較的安価なロボットプログラミング教材として世界各国で発売され人気を得ている。
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mBotの完成品
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mBotの全パーツ。「もの」のしくみを理解するためにバラバラの部品を自分で組み立てることからスタートする。
第2回は、今の時代に必要な力を子どもに体験させたいと願う保護者と、グローバル社会を担う子どもたちが「mBot」に初めて挑戦する、「家庭でできるロボットプログラミング「mBot」の体験会(ソフトバンク コマース&サービス主催)」にお邪魔した。
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「家庭でできるロボットプログラミング「mBot」の体験会」のようす
作る体験から「もの」のしくみを理解
2018年2月17日に開催された体験会では、小学生と保護者合わせて6組が参加した。まずはロボットである「mBot」本体の組み立てから取りかかる。箱を開封すると多くのパーツがそのまま袋に入っている。幼児向けおもちゃの多くが開封したらすぐに使えるのとは対照的だ。シャーシ・モーター・ホイールなどの胴体や駆動部分をはじめとして、頭脳に該当する基盤モジュール、人間の目にあたるセンサーなど……講師から各パーツの役割もガイドされながら、ステップを踏んでロボットを組み上げていく。時にはドライバーを使うときに四苦八苦。工具を使う姿など親の新たな一面も子どもに見せることができるため、親子間のコミュニケーションにも良い面があるのではないだろうか。
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「mBot」の組み立てに必要な工具も付属
「mBot」は機能も充実している。スマートフォン・タブレット・対応PCからBluetoothで無線コントロールが可能であり、超音波センサーやライントレースセンサー、LEDも搭載されている。配線もひと通り済んだところで、ひとりの子どもから「何で動かないの?」との声。「もの」のしくみを理解する上では、こうした素朴な疑問がとても重要なきっかけになる。その後の電源オンからの動作確認、紙に描いてある黒い線に沿って「mBot」がいよいよ走り出すと、子どもたちの表情も一気にぱっと明るいものに変わった。
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8の字の道を上手に通れた「mBot」に思わず笑顔
プログラミングはコンピューターとのコミュニケーション
「mBot」はMITが開発したプログラミング言語Scratchがベースとなったアプリによってプログラミングが可能となっている。あらかじめアプリをインストールしたタブレットやスマートフォンを使用し、子ども主体でプログラミングを開始。アプリでは、ロボットの各動作が要素として「ブロック」化されており、このブロックをつなげて組み合わせることで、コードを書かなくてもロボットの動きを自分の思い通りにプログラミングできる仕組みだ。
プログラミングの練習問題は、前に走らせて止める、後ろに走らせる、速さを変えて後ろに走らせる、LEDを点灯させる、三原色を理解しながらLEDの色を変えて点灯させる…と進んでいった。子どもたちはタブレットやスマートフォンの操作に戸惑うことは少なく、操作方法やブロックの意味を知ると自分ひとりでどんどんプログラミングを進めてロボットを動かしたり、間違いに気づき自分から直す子どもも見受けられた。
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「mBot」のLEDライトで色の三原色を理解し、自分の好きな色を作るようす
画面の中でのプログラミングは実際のロボットの動きにつながるので飽きることなく学習を進めることが可能だ。ブロックの機能や分岐の方法などをさらに理解していけば、想像力を広げてプログラミングに取り組めるようになるだろう。また、子どもたちは「mBot」を動かすことで、プログラミングが画面の中だけで完結するものではなく、現実の世界にも反映されることを実感できたのではないだろうか。
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自分で組み立てた「mBot」が、スマホのアプリでプログラムした通りに動くかを検証
子どもたちは自分から想像を広げていく
体験会終了後、参加したご家族に「mBot」の感想やプログラミング学習についてどう考えているかなどをお聞きした。
はじめてプログラミングを体験したという翔くん(小学1年生)は「楽しかった!自分でロボットの動きをプログラミングするのが楽しい。(mBotが)動きはじめた時が一番おもしろかった。ペットみたいで好きになった!」と、「mBot」を前にしながらすぐにでも動かしたいようすだった。
お母さまは、もともとお子さんにプログラミングを体験させたいと考えていたようで、「小学1年生ということもあって、まだ少し早いかなと思っていましたが……“作る”楽しみと“動かす”楽しみのどちらも楽しんでくれていたので、小学校の低学年でも(mBotは)入りやすいと思いました。私が少し組み立てを手伝った時には、子どもから逆に指摘されたりして、一緒にやることでいろんな発見もありました。」と、プログラミングの入り口だけでなく親子のコミュニケーションツールとしても「mBot」が役立つことを感じたようだ。
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自分でつくった「mBot」動かすのに夢中だった翔くん(小1)とお母さま
「mBot」は拡張性があることも魅力のひとつだが、お母さまは「おもちゃだと年齢が高くなるにつれて買い替えたりしないといけないかなと思いますが、これなら部品を加えることで(できることの)可能性がたくさん出てくると思います。1回やって飽きて終わりではないのが良いですね。週末だけでなく平日でも子どもと過ごす時間の中でできたらとも感じました。」と、今後の家庭における遊びを通じた学習にまで視野を広げはじめていた。
Scratchでプログラミングを少し経験したことがある依紗ちゃんは小学4年生。「いろんな動きを作ることが楽しかった!」と、プログラミングの面白さを実感しているようすだった。IT関係のお仕事をされているお父さまは「いろんな動きのパターンを組み合わせることができるので良いですね。自分なりにいろんなことを発見してもらえたらなと思います。」と期待を寄せた。お母さまは「普段あまり集中が続かないこともあるんですが、今回は楽しかったみたいで、物凄くニコニコしながらやっていたので「mBot」はすごいなあと感じました。」と、日常の学習のようすとは集中力の違いを感じたようだ。
また、お父さま自身がプログラミングを小学3年生からはじめたそうで「私自身の経験ですが、学校の勉強にも役に立つと思っています。算数の授業がプログラミングの書き方につながったり、プログラミングで書いていた単語が英語で出てきたりと、プログラミングをすることで理解が深まった経験がありますね。」とのこと。こうした体験談は、多くの保護者にとってプログラミング学習について考える“きっかけ”になるのではないかと感じられた。
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家に持ち帰ってアレンジして楽しみたいという依紗ちゃん(小4)とお父さま
依紗さんもやはり「mBot」が動物みたいでかわいいといった印象が強かったようで、「ひもをつけて遊んでみたい!」とも。お母さまは「図工が好きなので、家では部屋に自分なりの世界を作って、そこに人形などを置いて遊んだりしているんです。たぶん『mBot』もその中に入ってくるんじゃないかなあ。さっきも信号を作って動かしたりできるねと話したりしてたので、そうやって自分なりに想像しながらできるところが良いですね。」と、早くもお子さまの遊ぶ姿を思い浮かべていた。
ロボットを利用したプログラミング学習の真価とは
お気に入りの「もの」や絵に描いた独自の世界に夢中になり、「ブーン!」「ガタン!」「トコトコ」など、ストーリーを想像しながら、表現豊かに遊びに夢中になる子どもたちの姿は、今も昔も変わらない。その想像の世界を「自分で創り出すことができる!」と体感させられる学習として、プログラミング学習は有効だ。
「mBot」を組み立て、プログラミングで息を吹き込んでみることから学べるのは、S(Science=科学)、T(Technology=技術)、E(Engineering=工学)、M(Mathematics=数学)だけではない。自分で「もの」を創り出す「思考力」や「想像力」、そして自分が考えたことを言葉にしてコミュニケーションしていけば、ロボットが実際に動くという「実感」そのもの。その実感こそが「もの」への「愛情」や「愛着」を育んでいると感じた体験会だった。子どもたちにとっては「自分でつくった!」、保護者にとっては「わが子が成長した」と感じられた、実りある2時間だったに違いない。
プログラミングができるロボットキット「mBot」の詳しい情報はこちらから。
<提供:ソフトバンク コマース&サービス株式会社>