【NEE2018】北海道150年、学校で伝える「ほっかいどう学」

 New Education Expo 2018(NEE2018)サテライト会場の1つである札幌会場では、「北海道150年、学校で伝えたい北海道」をテーマに、北海道で活躍する小学校の校長や教員、学芸員、ライターによるリアルトークセッションが2018年6月9日に行われた。

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リアルトークセッション「北海道150年、学校で伝えたい北海道」コーディネーターの新保元康校長と3人のパネリスト
  • リアルトークセッション「北海道150年、学校で伝えたい北海道」コーディネーターの新保元康校長と3人のパネリスト
  • 国土交通省 北海道開発局 開発調査官の町田千恵氏
  • 新保元康校長が清水武男氏の写真集「北飛行」を紹介
  • 札幌市立緑丘小学校の石本歩教諭
  • 北海道開拓の村 学芸員の細川健裕氏
  • フリーライター・編集者の北室かず子氏
  • サテライト会場の1つである札幌会場のようす
 New Education Expo 2018(NEE2018)サテライト会場の1つである札幌会場で2018年6月9日、「北海道150年、学校で伝えたい北海道」をテーマに、北海道で活躍する小学校の校長や教員、学芸員、ライターによるリアルトークセッションが行われた。

 札幌会場のリアルトークセッション「北海道150年、学校で伝えたい北海道」では、札幌市立屯田小学校の新保元康校長がコーディネーターとなり、国土交通省による取組み紹介と、3名のパネリストによる実践事例が紹介された。

 パナソニック配信システムを使って札幌会場と旭川会場と繋ぎ、札幌会場のリアルトークセッションの模様を旭川会場で映し、旭川会場の受講者のようすを札幌会場の大型ディスプレイで映すという、双方向のリアルタイム配信が行われた。リアルトークセッションには、札幌と旭川の2会場で合わせて70名が参加した。

国土交通省による取組み



 2016年3月29日に閣議決定された「第8期北海道総合開発計画」には、子どもから大人まで北海道の魅力や地理、歴史、文化、産業などを学ぶ「ほっかいどう学が盛り込まれた。セミナーやフォーラム、学習会などを開催し、日本や世界における北海道の役割を学ぶことで、北海道の強みを生かして「世界の北海道」づくりに取り組む人材を発掘・育成することを目指す。

 国土交通省 北海道開発局 開発調査官の町田千恵氏によると、国土交通省 北海道開発局は目標達成に向け、ほっかいどう学プロジェクトチームや学校関係者と連携して、「ほっかいどう学」の推進に取り組んでいるところだ。

北海道の魅力とは…パネリストが活動紹介



 北海道教育大学附属札幌小学校と附属教育実践総合センター、道内教育現場や北海道教育大学有志および雪の研究者らは、学校教育への雪の活用に取り組む「北海道『雪』プロジェクト」を設立。設立メンバーのひとりである札幌市立屯田小学校の新保元康校長は小樽市出身で、「ずっと北海道に住んでいて、社会科の教師なので北海道のことを知っているつもりだったが、意外と知らないことが多かった。同じく小樽市出身で航空写真家の清水武男氏が飛行機に乗って撮影した写真集『北飛行』に感銘を受けたのが北海道再発見の第一歩だった」と振り返る。

新保元康校長が清水武男氏の写真集「北飛行」を紹介
画像:新保元康校長が清水武男氏の写真集「北飛行」

 札幌市立緑丘小学校の石本歩教諭は、「明治の国づくりを進めた人々」の単元で「開拓使麦酒醸造所」を教材した小学6年生の授業を紹介。子どもたちに北海道のことをどれだけ知っているか聞いてみると、「広い」「自然豊か(地理的なモノ)」「雪が多い(気候)」という意見が多く、歴史に関するものは出てこなかったという。札幌市出身の石本教諭は「どういう人がどういう思いで北海道を築いて行ったか、子どもたちに伝えたい」と、授業への意気込みを表した。

札幌市立緑丘小学校の石本歩教諭
画像:札幌市立緑丘小学校の石本歩教諭

 「北海道開拓の村」学芸員の細川健裕氏は、学校への出前授業や学習用資料の作成に携わっている。岩手県大船渡市出身の同氏は「かつて北海道に住んでいた人たちはどのような人々だったのか、これからどのように文化を築いていくのか、アイデンティティをどのように築いていったらいいのか、北海道150年を機に考える場を提供していきたい」と語った。

 JR北海道車内広報誌「THE JR Hokkaido」ライターとして道内各地を取材しているフリーライター・編集者の北室かず子氏は、北海道のお米「ゆめぴりか」はモチモチしていておいしいお米だとし、「お茶碗一杯のお米を作るのに2リットルの水100本必要」だと紹介した。徳島県出身の北室氏が取材の中で「稲作に必要な水を確保するのは土木工学などすべてのモノの結晶でここまで来たのがわかった」という。「北海道は、ユーラシア大陸と太平洋をつなぐ『位置』、豊かな北の海や珍しい産物の『恵み』、科学技術の時代の幕開けと当時に開発が始まった『とき』の3つの奇跡が重なったことを伝えたい」と述べた。

フリーライター・編集者の北室かず子氏
画像:フリーライター・編集者の北室かず子氏

もっと知ってほしい北海道の魅力と課題



 石本教諭は、「ほっかいどう学をすすめていくと、教科書の範囲を超えてしまう。専門家と一緒に授業を作っていくことが必要。学校のなかだけで閉じた授業ではなく、いろいろな人の力を借りながら授業づくりをしていきたい」と抱負を語った。

 コーディネーターの新保校長は、「昔は北海道内の小学校では『わたしたちの北海道』という副読本が小学校で1年間使われていたが、今は北海道に関する副読本がない。現在は『北海道』という学習が弱く、4年生で現状を軽く触れる程度になってしまった。社会科の学習時間が減少し、都道府県の記述量も減っており、学習量はわずか。ほっかいどう学を教える時間をもっと増やしていきたい」と締めくくった。

 リアルトークセッションでは、北海道内・道外出身のさまざまな立場から「ほっかいどう学」の取組みが紹介された。北海道での「地域」の魅力を伝える取組みは、道内だけでなく、道外の教育現場でも参考になりそうだ。
《工藤めぐみ》

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