中学男子、給食で肥満減…東大研究グループ発表

 中学校での給食実施率が上がると、男子生徒の肥満が一定の割合で減少することが、東京大学大学院の研究グループにより明らかになった。研究結果の論文は、2018年6月5日に英国の国際学術誌「Journal of Public Health」オンライン版に掲載された。

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(A~C)2006年から2015年まで5年ごとの都道府県給食実施率の推移 (D)2006年から2015年の給食実施率の変化
  • (A~C)2006年から2015年まで5年ごとの都道府県給食実施率の推移 (D)2006年から2015年の給食実施率の変化
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 中学校での給食実施率が上がると、男子生徒の肥満が一定の割合で減少することが、東京大学大学院の研究グループにより明らかになった。研究結果の論文は、2018年6月5日に英国の国際学術誌「Journal of Public Health」オンライン版に掲載された。

 思春期の肥満は世界的に増加傾向にあるが、日本は思春期の肥満が少ないと言われているという。東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学の小林廉毅教授ら研究グループは、適切な栄養基準に基づいた「日本の学校給食プログラム」による効果であるとの仮説を立証するべく、「2006年から2015年の都道府県レベルの給食実施率」と「県レベルの栄養状態の指標(過体重・肥満・やせの生徒の割合、平均身長、平均体重)」を性・年齢別に抽出。前年の県レベルの給食実施率と翌年の栄養状態の指標の関連を調査した。

 解析の結果、都道府県レベルの給食実施率が10%増加すると、翌年の中学男子の「過体重(全体の約10%)」の割合は0.37%、「肥満(同約5%)」の割合は0.23%低下。一方で、女子については、過体重・肥満を減らす傾向が見られたものの、統計学的に有意な結果は得られなかった。

 研究グループは研究結果から、少なくとも男子において学校給食プログラムは思春期の肥満を減らす有効な施策の1つであると示唆。平均体重や平均身長についても、給食実施率の上昇で体重が減り、身長が伸びる傾向が見られ、ともに肥満を減らす方向に寄与していることが明らかになった。

 一方で、女子について効果が得られなかったのは、日本の若年女性がやせ傾向にあることと関連しているのではないかと指摘。思春期の女子が体型を気にして食べる量が元々少なければ、給食による摂取カロリー抑制効果が小さい可能性があるのではとしている。

 研究グループは、「先進国のみならず、途上国でも思春期の肥満の増加は重大な問題となっています。学校給食プログラムを介した、適切な栄養基準に基づいた食事の提供は、グローバルな視点からも、思春期の肥満を減らす有効な施策の1つと考えられます。」と締めくくっている。
《畑山望》

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