はしか、関西中心に患者急増…厚労省が注意喚起

 麻しん(はしか)の患者が、関西を中心に増加している。国立感染症研究所によると、2月6日までに全国19都道府県で148人の感染が報告されており、過去10年で最多ペース。2019年2月18日には、厚生労働省が全国の自治体に注意を呼び掛ける文書を通知した。

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麻しん累積報告数の推移 2013~2019年 (第1~5週)
  • 麻しん累積報告数の推移 2013~2019年 (第1~5週)
  • 週別麻しん報告数 2019年 第1~5週
  • 都道府県別病型別麻しん報告数 2019年 第5週
  • 都道府県別病型別麻しん累積報告数 2019年 第1~5週
 麻しん(はしか)の患者が、関西を中心に増加している。国立感染症研究所によると、2月6日までに全国19都道府県で148人の感染が報告されており、過去10年で最多ペース。2019年2月18日には、厚生労働省が全国の自治体に注意を呼び掛ける文書を通知した。

 麻しん(はしか)は、空気感染を主たる感染経路とする感染力が非常に強いウイルス感染症。感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2~3日熱が続いたあと、39度以上の高熱と発疹が出現する。

 肺炎や中耳炎を合併しやすく、1,000人に1人の割合で脳炎を発症し、死亡することもあるとされるが、事前に予防接種を受けることで予防が可能。日本では近年、予防接種などで患者数は激減しているが、海外で感染した患者を発端に国内で感染が拡大する事例が散見されている。

 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、第5週(2019年1月28日~2月3日)の麻しん報告数は29人。このうち、大阪府が半数の15人を占めている。第1週(2018年12月31日~2019年1月6日)から第5週までの累積報告数は148人。都道府県別では、三重県の49人がもっとも多く、ついで大阪府43人、愛知県14人、東京都10人と続いている。

 過去10年の感染状況をみると、第5週時点で148人という患者報告数は過去最多。過去10年でもっとも多い732人の患者が報告された2009年を上回る勢いとなっている。

 厚生労働省では、2月18日付けで都道府県や保健所設置市、特別区の衛生主管部(局)長宛に「麻しん発生報告数の増加に伴う注意喚起について(協力依頼)」と題した文書を通知。関西地方で麻しん患者が増加しており、今後、患者の移動などで広範な地域で患者発生や医療機関受診の可能性があるとし、麻しんを意識した診療や対策への協力を呼び掛けている。
《奥山直美》

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