【全国学力テスト】秋田県や福井県など22の取組み、文科省が活用事例集を公開

 文部科学省は2019年3月25日、2018年度全国学力・学習状況調査活用事例集をWebサイトに公開。各教育委員会や学校の参考となる、全国学力・学習状況調査の結果を効果的に活用していると考えられる事例をまとめている。

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文部科学省「平成30年度全国学力・学習状況調査活用事例集について」
  • 文部科学省「平成30年度全国学力・学習状況調査活用事例集について」
  • 平成30年度全国学力・学習状況調査活用事例集(目次)
  • 平成30年度全国学力・学習状況調査活用事例集(目次)
  • 平成30年度全国学力・学習状況調査活用事例集(秋田県教育委員会の事例・一部)
 文部科学省は2019年3月25日、2018年度全国学力・学習状況調査活用事例集をWebサイトに公開。各教育委員会や学校の参考となる、全国学力・学習状況調査の結果を効果的に活用していると考えられる事例をまとめている。

 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の目的のひとつは、各教育委員会・学校などが、全国的な状況との関係において自らの教育および教育施策の成果と課題を把握し、その改善を図るところにある。これまで、調査の結果を活用した「授業アイデア」については毎年公表されてきたが、都道府県・指定都市・市区町村教育委員会による取組みは2010年10月を最後に、全国規模での効果的な取組事例の蒐集や公表は行われていなかったという。

 「2018年度全国学力・学習状況調査活用事例集」は、全国学力テストの活用に係る好事例の横展開を目的として作成。秋田県教育委員会や福井県教育委員会をはじめ、静岡市教育委員会、堺市教育委員会、青森県青森市教育委員会、石川県穴水町立穴水中学校など22の事例について、実施概要、取組みのポイント、取組みの効果などをまとめている。

 たとえば、秋田県教育委員会の取組みは、自校採点による実態把握、「秋田県学力向上支援Web」の学力調査集計・分析システムの活用、県学習状況調査での改善状況の把握がポイント。4月の全国学力テストの実施後、教科に関する調査について各学校が任意で自校採点を行い、その結果などを県教育委員会が5月上旬にWebサイト「秋田県学力向上支援Web」で配信する県独自の集計・分析システムに任意で登録する。県教育委員会は6月上旬に1次分析を提供。10月~11月には、学校が課題の改善状況を検証できる課題改善サポート問題を県教育委員会が調査対象教科ごとに作成し、Webサイトにて配信する。

 12月実施の秋田県学習状況調査では、全国学力・学習状況調査で課題が見られた内容に係る問題やB問題の出題趣旨を生かした問題を意図的に出題。各学校が自校の課題の改善状況を把握できるようになっている。さらに、高校入試でも「基礎的・基本的な知識・技能の活用」に関する力が把握できるような問題が出題される。

 秋田県教育委員会の取組みでは、国と県の2つの学力調査を有効活用した検証改善サイクルを構築することで、各学校の授業改善が継続的に図られ、組織的な学習指導の改善・充実が期待できるという。

 そのほか、福井県教育委員会の事例「全国学力・学習状況調査や福井県学力調査の結果から明らかになった課題克服への取組み~結果分析を各学校の授業改善と学力向上につなげる~」、埼玉県鶴ヶ島市教育委員会の事例「無解答率の結果分析をもとにした学力向上~市教育委員会の施策を融合した取組み~」など、さまざまな事例が紹介されている。

 事例集は文部科学省Webサイトにて公開。文部科学省では各教育委員会や学校に向けて、事例集も参考にして全国学力テストを活用し、継続的な検証改善サイクルの確立、改善・充実に努めてほしいとしている。
《黄金崎綾乃》

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