国立大学改革方針に4つの留意事項、国立大学協会が提示

 国立大学協会は2019年6月26日、文部科学省による「国立大学改革方針」について、Webサイトに会長コメントを掲載した。各国立大学が意欲的に改革に取り組めるよう、4つの留意事項を示している。

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 国立大学協会は2019年6月26日、文部科学省による「国立大学改革方針」について、Webサイトに会長コメントを掲載した。各国立大学が意欲的に改革に取り組めるよう、4つの留意事項を示している。

 文部科学省が6月18日に公表した「国立大学改革方針」は、中央教育審議会答申「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」において示されている今後の高等教育が目指すべき姿を踏まえつつ、今後の改革の方向性と論点を提示するもの。取り組むべき方向性として、「徹底的な教育改革」「世界の『知』をリードするイノベーションハブ」「世界・社会との高度で多様な頭脳循環」「地域の中核として高度な知を提供」「強靱なガバナンス」「多様で柔軟なネットワーク」「国立大学の適正な規模」の7つをあげている。

 国立大学協会は改革方針の方向性について、基本的には認識を共有するものと理解を示した。一方で、日本の重要課題である地方創生の中核として機能できるよう、各国立大学が立地する地方(地域)の特性に合った支援体制を構築する視点が重要としている。会長コメントでは、文部科学省が今後、改革方針を踏まえた各国立大学との対話を進めていくにあたって、4つの事項を留意点としてあげている。

 ひとつは「高等教育における 国立大学の将来像(最終まとめ)」の方針や各国立大学の将来構想の実現を後押しするために必要な議論を行うこと。その際には、地方創生の観点も取り入れた具体的な国土全般にわたる適正な産業分布と、それを達成するための人材育成の質と量についても議論するよう求めている。

 また、「国立大学の適正な規模」について、18歳人口の減少という事象のみにとらわれた一律の対応を行うのではなく、将来の人材需要や進学率、地域の特性、各大学の経営戦略・強み・ 特色などさまざまな観点から十分な協議を行うことを要請している。

 そのほか、国立大学法人化の本旨に立ち返ってこれまでの施策の検証を行い、 各大学が中長期的な見通しを持って自律的に多様な経営戦略を樹立・実施できるよう、政・制度面において不断の改善と 手厚い支援を実施するとともに安定した枠組みを確立すること。国立大学が大学院における高度な人材育成や最先端の学術研究などで中心的な役割を果たしていることを踏まえ、大学学部と大学院の総合的かつ体系的な教育の在り方を示すことなどをあげている。

 国立大学協会では、さまざまな改革に意欲的に取り組み、国立大学に対する社会の期待に応えていくという。
《黄金崎綾乃》

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