オワハラの一因は日本的雇用にあり、京大研究Gが解明

 京都大学の太郎丸博文学研究科教授と水野幸輝文学部生は、就職活動終われハラスメント(オワハラ)の一因が、日本的雇用にあることを解明した。内資で設立年が古く年功序列であるように学生から見える企業ほど、オワハラをしやすいという。

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就職活動終われハラスメントが日本的雇用に起因することを解明
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 京都大学の太郎丸博文学研究科教授と水野幸輝文学部生は、就職活動終われハラスメント(オワハラ)の一因が、日本的雇用にあることを解明した。内資で設立年が古く年功序列であるように学生から見える企業ほど、オワハラをしやすいという。

 オワハラとは、企業が就職活動中の学生などに対して他社の選考を受けないように要求することを指し、職業選択の自由を脅かす行為として、政府や経団連、大学から批判されている。

 京都大学の太郎丸博文学研究科教授と水野幸輝文学部生の研究グループは、オワハラを行いやすい企業の特徴を調べるため、採用人数の少ない企業は過去の実績から歩留まり率を推定しても誤差が大きく、採用予定人数を下回る学生しか採用できない確率が高まるためオワハラにつながる「採用人数仮説」と、日本的な企業風土が強い会社ほどオワハラを行いやすい「日本的雇用仮説」の2つの仮説をたてた。

 研究では、2019年に就職活動を行い(2020年4月入社希望)、面接まで進んだ大学4年生と修士2年生に対してWeb調査を実施。2019年11月1日から22日まで、水野氏の知人経由でSNSを使って回答を募集した。有効回答数は74人。面接を受けた会社のうち、第1志望から第5志望までの会社についてオワハラを受けたかを尋ね、採用予定人数や設立年、年功序列を感じるかなどとの関連を調べた。

 その結果、「採用人数仮説」は棄却され、外資系ではなく内資、年功序列で昔に設立された歴史のある日本的雇用の企業ほどオワハラをしやすい傾向にあることが明らかになった。日本的雇用では企業を家族や地域共同体になぞらえ、長期的で親密な関係を求める傾向が強いと言われている。日本的雇用の企業では、自社以外の企業への就職を考えることは、共同体の秩序を破壊するに等しい反逆行為といえるため、オワハラは自社への忠誠を求める正当な行為と考えているのではないか、と考えられるという。

 今回の研究成果は、2020年3月16日・17日に開催予定であった「第69回数理社会学会大会」に受理された。
《外岡紘代》

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