私大入学費用は過去最高…仕送り額は8万5,300円の低水準に

 東京私大教連(東京地区私立大学教職員組合連合)が行った「私立大学新入生の家計負担調査」によると、入学費用の平均額は過去最高で、自宅外通学者では299万円となる一方、仕送り額は減少が続き、家賃を除いて算出した1日当たりの生活費は730円となった。

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受験から入学までの費用(住居別)
  • 受験から入学までの費用(住居別)
  • 「受験から入学までの費用」の推移と各費目の構成比
  • 自宅外通学者の「入学の年にかかる費用」
  • 「入学の年にかかる費用」の推移(住居別)
  • 「税込年収」と「対前年度増減比」の推移(全体/住居別)
  • 「仕送り額」の推移
  • 「毎月の家賃」の推移
  • 「6月以降の仕送り額(月平均)」から「家賃」を除いた生活費の推移
 東京私大教連(東京地区私立大学教職員組合連合)が行った「私立大学新入生の家計負担調査」によると、入学費用の平均額は過去最高で、自宅外通学者では299万円となる一方、仕送り額は減少が続き、家賃を除いて算出した1日当たりの生活費は730円となった。

 「私立大学新入生の家計負担についてのアンケート」は2019年5月~7月にかけて、2019年度に私立大学(短期大学を含む)に入学した新入生の家庭(保護者・父母)を対象に郵送で実施し、4,396件の有効回答を得た。対象大学は、早稲田、明治、中央、工学院など関東を中心とした1都5県の14大学・短大。

 「受験から入学までの費用」は、自宅外通学者が220万633円で前年度比1万6,200円増加、自宅通学者が158万3,133円で前年度比1万6,100円(1.0%)増加で、自宅外通学者、自宅通学者ともに1985年の調査開始から過去最高額となった。

 また、自宅外通学者の「受験から入学までの費用」に「仕送り額(4月~12月)」の79万2,500円を合わせた「入学の年にかかる費用」は299万3,133円だった。

 世帯の住居別の「税込年収」は、自宅外通学者の世帯で930万円、自宅通学者の世帯で950万1000円。自宅外通学者世帯の「税込収入に占める『入学の年にかかる費用』」の割合は32.2%となり、家計にとって大きな負担となっていることがうかがえる。

 一方、「仕送り額」の平均をみると、入学直後の新生活や教材の準備で費用がかさむ「5月」が9万7,700円で前年度比2,000円減少の過去最低となった。「6月以降(月平均)」は8万5,300円で、過去最低だった前年度から2,200円増加したが、過去2番目に低い金額だった。「6月以降(月平均)」の仕送り額は、過去最高だった1994年の12万4,900円から、減少傾向が続いている

 「家賃」の平均は過去最高の6万3,400円となり、「6月以降)」の平均仕送り額8万5,300円に占める家賃の割合は74.3%と7割を超える。また、家賃をのぞいた生活費は2万1,900円となり、一日あたりの生活費を算出すると730円。過去最低であった前年度の677円に続く低水準となった。

 学費などの「入学に必要な費用」を借入れした家庭は17.3%で、住居別にみると自宅通学者は15.1%、自宅外通学者は21.0%だった。借入額の平均は194万円と前年・前々年に続く高い金額となっている。
《勝田綾》

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