オンライン授業、学生の受講環境に課題…昭和女子大調査

 昭和女子大学は、2020年4月24日からオンライン授業で新学期をスタートするのを前に学生の受講環境調査の結果を発表した。9割近くがオンライン授業未経験であるほか、パソコンやプリンターがない、通信量を把握していないなど、受講環境には多数の課題があったという。

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 昭和女子大学は、2020年4月24日からオンライン授業で新学期をスタートするのを前に学生の受講環境調査の結果を発表した。9割近くがオンライン授業未経験であるほか、パソコンやプリンターがない、通信量を把握していないなど、受講環境には多数の課題があったという。

 「オンライン授業の学生受講環境調査」は、グローバルビジネス学部会計ファイナンス学科高木ゼミ(高木俊雄准教授)に所属する3、4年生が、ガイダンス期間の4月10日~11日、昭和女子大学の全学科を対象に実施。学生155人から回答を得た。

 自宅のネットワーク環境は、98%の学生が「ある」と回答したが、「ない」という学生も2%存在した。自宅のネットワーク接続方法は、「光回線」44%、「ポケットwi-fi」21%、「ケーブルTV」5%、「わからない」27%など。自宅のネットワーク環境の通信量については、36%が「わからない」と答えた。

 オンライン授業実施時の使用端末(複数選択可)は、155人の回答者のうち、132人が「パソコン」としたが、「携帯のみ」という学生も15人いた。プリンター保有率は77%。残り23%の学生は、自宅で教材を印刷できない環境にあった。

 オンライン授業の受講経験では、「ある」は14%にとどまり、86%が「ない」と回答した。受講経験のある学生に使用媒体を尋ねたところ、「Zoom」がもっとも多かった。このほか、在宅時の過ごし方では、「SNSを見る/投稿する」が最多で、「テレビを見る」「音楽を聴く」などと並んで、「動画配信サイトを見る」「インターネット検索」なども多かった。

 調査にあたった学生たちは、結果を受けて「取得単位数によっては通信容量が足りず、受講できない学生が生まれる」「外出自粛によるネットワーク環境の圧迫が生じる可能性がある」など、受講環境をめぐる問題点を整理。「学生のネットワーク環境を考慮に入れた授業が必要」「聴講型授業や教科書に沿って進める授業は、通信量の観点から、動画配信以外の方法も検討したほうがよい」などと提言した。

 調査結果は、大学Webサイトなどで紹介しているほか、YouTubeでも解説動画を公開している。



《奥山直美》

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