【大学入学共通テスト2021】河合塾が概況分析…志願者・受験者は過去最大の減少率

 河合塾は2021年2月19日、大学入試情報サイト「Kei-Net」に2021年度大学入学共通テスト概況分析を公開した。2021年度大学入学共通テストは志願者数・受験者数ともに過去最大の減少率となったほか、7科目型平均点は理系で大きく上昇したが、高得点層は増えていなかった。

教育・受験 高校生
センター試験・共通テスト 志願者数・受験者数推移 (c) Kawaijuku Educational Institution.
  • センター試験・共通テスト 志願者数・受験者数推移 (c) Kawaijuku Educational Institution.
  • センター試験・共通テスト 現役・既卒別志願者数推移 (c) Kawaijuku Educational Institution.
  • 共通テスト 受験科目数別の受験者数 (c) Kawaijuku Educational Institution.
  • 共通テスト  主要科目平均点(第1日程) (c) Kawaijuku Educational Institution.
  • 共通テストリサーチ 「数学II・数学B」受験者 文系・理系別 得点分布 (c) Kawaijuku Educational Institution.
  • 共通テスト 7科目型平均点の変化 (c) Kawaijuku Educational Institution.
  • 共通テストリサーチ  受験者の得点分布 (c) Kawaijuku Educational Institution.
 河合塾は2021年2月19日、大学入試情報サイト「Kei-Net」に2021年度大学入学共通テスト概況分析を公開した。2021年度大学入学共通テストは志願者数・受験者数ともに過去最大の減少率となったほか、7科目型平均点は理系で大きく上昇したが、高得点層は増えていなかった。

 「2021年度大学入学共通テスト概況分析」は、大学入試センター試験(以下、センター試験)の後継として初めて実施された2021年度大学入学共通テスト(以下、共通テスト)についてまとめたもの。新型コロナウイルス感染症に伴う学業の遅れなどへの対応から、本試験が2回実施され、第1日程では出題傾向の変化から一部教科で科目間の平均点差が開き得点調整が実施されるなど、「イレギュラーの目立つ試験」としたうえで、共通テストの概況を振り返っている。

 共通テストの志願者数は、前年度(2020年度センター試験)比96.0%の53万5,245人。受験者数は、前年度比91.8%の48万4,114人。志願者数・受験者数ともにセンター試験時代を通じて過去最大の減少率となった。受験率(受験者数/志願者数)は、前年度の94.5%から90.4%に大きくダウン。受験科目数別では、特に私立大学の志望者が中心となる3科目以下の受験者が、前年度比85.3%と減少率が大きかった。

 既卒生志願者は、前年度まで10万人前後で推移していたが、2021年度は一気に8.1万人まで減少した。河合塾では「前年の2020年度入試は国公立大・私立大ともに競争緩和が起きていたこと、翌年の共通テストを敬遠した極端な安全志向がみられたこと」を減少の要因にあげている。

 共通テスト第1日程と2020年度センター試験の平均点を比較すると、英語「リーディング」「リスニング」と国語は前年度並み。数学は「数学I・A」「数学II・B」あわせて約16点アップ。理系生で「数学II・B」を高得点できた者が多かった一方、文系は得点できた者とできなかった者の差が開いた。

 理科1では、選択者の多い「生物基礎」「化学基礎」の平均点がダウン。おもに理系生が受験する理科2では得点調整が行われた。地歴は、受験者が多い地歴B3科目の平均点は6割台前半に固まり、科目間の差は小さかった。ただ、理系生の多くが選択する地理Bは前年度から約6点ダウン。公民は「倫理」と「政治・経済」の平均点に20点以上の差がつき、「現代社会」「政治・経済」で得点調整が行われた。

 河合塾が推定する共通テスト7科目型の平均点(900点満点)は、文系型が前年度より8点多い555点、理系型が前年度より19点多い571点。7科目型の得点分布をみると、平均点が上昇したわりに文系・理系型ともに720点(得点率8割)以上の高得点層は増加しておらず、高得点は取りにくかった特徴が見られた。理系型では、得点率6割以上8割未満の得点率帯で受験者が大きく増加した。

 一方、3教科型では「英・国・数or地公」型は400点(得点率8割)以上の高得点層が減少。「英・数・理」型は、数学と理科の平均点アップにより、300~420点あたりの受験者増が著しく、分布が右にシフトしている。

 このほか、出題の特徴については「センター試験に比べ、解答マーク数が減少した科目が多かった」「全科目でグラフ、地図、写真、文章など読み取る資料の分量が増加した」などと分析。共通テストは、思考力・判断力・表現力などを一層重視した評価ができるよう、作問や出題形式を見直す方向が示され、センター試験からの変更が多々見られた。河合塾では「こうした変化が目的としていた『思考力』『判断力』を問うものにつながっているかは、きちんと検証が必要だろう」としている。
《奥山直美》

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