サイボウズ×杉並区、児童虐待対応の強化にkintone導入

 サイボウズは2021年6月14日、杉並区が児童虐待対応の強化を目的に、サイボウズが提供する「kintone(キントーン)」の利用を開始したと発表した。保育園をはじめとした子供の属する関係機関との情報共有ツールとして活用を進め、子供の見守りと安全確認の体制を強化する。

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サイボウズ×杉並区 kintoneを利用した子供の見守り情報共有(イメージ)
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 サイボウズは2021年6月14日、杉並区が児童虐待対応の強化を目的に、サイボウズが提供する「kintone(キントーン)」の利用を開始したと発表した。保育園をはじめとした子供の属する関係機関との情報共有ツールとして活用を進め、子供の見守りと安全確認の体制を強化する。

 kintoneは、サイボウズが提供する業務アプリ開発プラットフォーム。事業の進捗を可視化するプロジェクト管理、空き家やふるさと納税返礼品等のデータベース、地域包括ケアシステムにおける関係機関との情報共有、避難所との情報共有等の災害対策等、用途にあわせた業務アプリの作成がノンプログラミングでできる。SNSや外部サービスと連携することで行政サービスの利便性向上を図ることも可能。2018年より、児童虐待問題の解決にクラウドサービスを5年間無料で提供する特別プランと導入のための相談窓口を設置している。

 児童虐待は近年、度々問題視されており、自治体での対策強化が求められている。2020年からは、コロナウイルス感染症の影響で学校や園が休校になる事態も発生し、児童の出欠状況の確認をより頻繁に行う必要があった。杉並区では従来、保育園や学校から月に1回提出される表計算ソフトやメールで出欠状況を把握していたが、正確な情報把握と集計作業に時間を要していたことから、今回、kintoneの導入を決定。保育園・学校等からの連絡をタイムリーに行い、対応すべき児童と傾向を的確に把握するためのツールとして運用を開始する。

 6月には区立保育園37園と児童出欠状況の情報共有を開始し、その後、私立保育園、幼稚園、学校等の関係機関との情報共有を進める。さらに今後は、食を通じた見守り強化による子供の定期的な状況把握と共有、児童虐待未然防止の取組みを推進する各種事業において、庁内および関係機関と迅速かつ的確に要保護・要支援家庭の情報を共有し、効率的・効果的に事業を推進するための活用を検討、随時実行していく予定だという。

 杉並区の田中区長は、「区の子ども家庭支援センターに寄せられる児童虐待に関する相談・通告件数は近年大幅に増えており、児童虐待の防止には子供が発するサインに対して保育園や学校、地域等、多くの関係機関による気付きが非常に重要。新型コロナウイルス感染症拡大により児童虐待のリスクが高まっている中、kintoneの活用により子ども家庭支援センターと関係機関との情報共有を迅速かつ確実に行い、子供の命を守る取組みにしっかりとつなげていきたい」とコメントを寄せている。
《畑山望》

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