国語
中学校国語の平均正答数は14問中9.7問(前年度14問中9.1問)、平均正答率は69.3%(前年度64.9%)で、前年度より上昇した。
大問2設問3のWebページの資料から必要な情報を引用して、意見文に「スマート農業の効果」を書き加える問題で、引用部分をかぎかっこでくくることができていない、文章をそのまま抜き出すことができていない、等の理由で誤答となった生徒が全体の40.4%を占めた。
このことから、「書くこと」および学習指導要領に新設された「情報の扱い方に関する事項」について、「自分の考えが伝わる文章になるように、根拠を明確にするために必要な情報を資料から引用して書くことに課題が見られる」と分析。指導改善のポイントとして、「自分の考えを支える根拠として資料を適切に引用することなどができるように指導することが大切である」とした。
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数学
中学校数学の平均正答数は14問中7.3問(前年度16問中9.2問)、平均正答率は52.0%(前年度57.5%)で、前年度より低下した。
調査結果のポイントとして「『データの活用』の領域において、多数回の試行によって得られる確率の意味の理解には改善の傾向が見られる。一方、学習指導要領において統計的内容が充実したことを踏まえ初めて出題した『箱ひげ図』からデータの分布の特徴を読み取ることに課題が見られる」とした。
また、「『関数』の領域において、日常的な事象を数学的に解釈し、問題解決の方法を数学的に説明することに引き続き課題が見られる」と分析。「問題解決の方法に焦点を当て、表、式、グラフなどの『用いるもの』と、それらを問題解決するためにどう用いたかといった『用い方』を明確にして問題解決の方法を数学的に説明する活動を充実すること」を指導改善のポイントとした。
なお、小学校算数においても、学習した内容を日常の問題解決に活用することに課題があると分析されており、小中学校の共通点といえる。
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理科
2018年度以来4年ぶりの実施となった中学校理科の平均正答数は21問中10.4問(前回実施時27問中17.9問)、平均正答率は49.7%(前回実施時66.5%)。前回実施時より大きく低下し、5割を下回る結果となった。
過去に課題があるとされた実験の計画における条件の制御については改善が見られた一方、「探究の過程における検討や改善を問う設問について、他者の考えの妥当性を検討したり、実験の計画が適切か検討して改善したりすることに課題が見られた分野がある」とした。
この課題が見られた大問5(3)の、実験の計画を検討して改善できるかどうかをみる問題の正答率は43.8%だった。誤答のうち、「測定値を増やして実験をすることは理解しているが、具体的に数値を示した実験を計画できていない」と考えられる生徒は、全体の14.4%にのぼる。
この課題について、「考察の妥当性を高めるために、実験結果の処理について振り返り、例えば測定する間隔や範囲などの改善の視点を明確にした上で、実験の計画を検討して改善する学習活動を充実すること」を指導改善のポイントにあげた。
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