2023年2月14日(火)、令和5年度(2023年度)神奈川県公立高等学校入学者選抜共通選抜が実施された。全日制課程の確定志願状況は、募集人員4万930人に対し4万8,082人が出願し、競争率は1.17倍となった。
リセマムでは、湘南ゼミナールの協力を得て、「理科」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても、同様に掲載する。
<理科>講評
(湘南ゼミナール 提供)
全体の大問構成や問題数は例年と変化はなく、全学年からバランスよく出題された。問題文を正しく読み取る必要がある問題が例年以上に増え、平均点は昨年度よりも下がると予想される。
物理分野である問5では、電流が磁界から受ける力とエネルギーとの複合問題が出題された。(ウ)の速さと時間の関係のグラフに関する問題は、速さが大きくなると地点Qに到達する時間が短くなることに気付けるかがポイントであった。(エ)のエネルギーの変換効率の問題は、文字式で問われるという解き慣れない形式での出題であった。それぞれの文字式が持つ意味を考えれば正解にたどりつけるという、本質的な理解が問われるものであった。
化学分野である問6では、酸化物の還元の内容が出題された。(エ)の酸化鉄の還元は、練習したことがなくて戸惑う生徒さんが多かったのではないだろうか。問題文にある化学式とそれぞれの物質の原子の数に注目して処理をすれば正解にたどりつくことができるが、初見の問題でも原理・原則に立ち返れるかがポイントであった。
生物分野である問7(ウ)(ii)では、植物の蒸散と光合成の問題が出題された。受験生にとって頻出となる問題ではあるものの、問題文より「実験から考察できること」を答えること、「対照実験」について問われている、という2点の重要な情報を手に入れなければならなかった。ここ数年継続して出題されている傾向の問題であるため、今後も対策は必要であろう。
今後の対策としては、例年同様、教科書内容の知識を理解するだけに留まらず、グラフや図が何を意味しているのかまでを考察し、理解する必要がある。今年度の問題の傾向から今まで以上に原理・原則の理解が求められる。
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このレポートは令和5年2月14日(火)に、速報として湘南ゼミナールにより作成されたもの。協力:湘南ゼミナール(執筆:教務支援部 理科科責任者 國吉 正人氏)