【高校受験2023】北海道公立高入試<理科>講評…昨年度と比べて難化

 2023年3月2日(木)、令和5年度(2023年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「理科」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

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【高校受験2023】北海道公立高校<講評・理科>
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 2023年3月2日(木)、令和5年度(2023年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。

 リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「理科」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<理科>講評(練成会 提供)

 例年通り大問5題の出題となった。物理・化学・生物・地学の各領域の配点は25点ずつである。大問1で各領域からの小問を出題することで幅広い知識が問われている。

 大問2~5は実験や観察に基づいて必要な情報を整理するとともに、実験結果をもとに科学的思考力や表現力が試された。実験や観察に関わる記述問題が10問、作図問題は3問出題されている。特に記述問題は昨年の7問、一昨年の3問から大幅に増えていることから表現力を試す傾向がより鮮明になった。昨年の出題と比べると完全解答が5問から1問に減少し、実験や観察の文章がやや短くなっているが、実験に関するデータの整理が複雑になっているため得点率は昨年より下がることが予想される。

 大問1小問集合は昨年と同様合計12問で各分野からまんべんなく出題されており、網羅的な学力が要求される。計算問題は与えられた数値を公式に当てはめる基本的な問題のため確実に得点に結び付けたい。

 大問2は生物領域からヒトの呼吸について出題された。問3肺で1分間に取り込まれる酸素の体積は割合の計算で求めた数値をグラフで表すという、実際に実験を行う際のデータ処理の手法をそのまま設問としていることで表現力を試している。

 大問3は化学領域から物質の酸化と還元について出題された。生徒がまとめた実験の仮設、実験結果、考察のノートはアクティブラーニングの手法を取り入れており、問2(1)では生徒が考えた化学反応のモデルの間違いを正す内容も盛り込まれている。問1(1)では実験結果で得られた測定値を理論値に近づけるための実験手法を考えるなど日頃の実験の重要性を印象付けることとなった。

 大問4は地学領域の金星の見え方について出題された。問1(2)内惑星である金星の満ち欠けの変化が大きいことと観察できる時間帯が限られることを実験データから導き出すことで、いかなる理科の法則についても根拠が重要であることを示すこととなった。問2(1)月の公転の様子から金星との相対的な位置関係の変化を求める問題は難問で正答を導くためには図を描くなど実際に手を動かして考えることがポイントとなる。

 大問5は物理領域から凸レンズと像について出題された。実験結果から得られるグラフが凸レンズで最も重要な焦点距離や物体の大きさを示すデータであることに気づけるかどうかがカギとなった。問2(1)凸レンズを通過したあとの光の進み方は頻出で作図の習熟が要求される。問4凸レンズのふくらみと像の大きさの関係は実験結果からふくらみが小さいほど屈折しにくくなることを読み取ることができれば正答を導くことが可能となる。


 このレポートは2023年3月2日(木)に速報として練成会により作成されたもの。

協力:練成会

《編集部》

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