学童待機児童、千人増1.6万人…コロナ収束で登録・待機増加

 放課後等に小学生を預かる放課後児童クラブ(いわゆる学童保育)の2023年度(令和5年度)の待機児童が、前年度比1,096人増の1万6,276人となったことが、こども家庭庁が公表した調査結果から明らかとなった。待機児童数はコロナ収束に連動するように2年連続で増加。登録児童数も増加傾向が続き、過去最高値を更新した。

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クラブ数、支援の単位数、登録児童数および利用できなかった児童数の推移
  • クラブ数、支援の単位数、登録児童数および利用できなかった児童数の推移
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  • 設置場所の状況
  • 登録児童数の規模別の状況
  • 学年別登録児童数の状況
  • 終了時刻の状況(平日)
  • 待機児童数の学年別の状況
  • 令和5年5月1日 利用できなかった児童(待機児童)マップ(都道府県別)

 放課後等に小学生を預かる放課後児童クラブ(いわゆる学童保育)の2023年度(令和5年度)の待機児童が、前年度比1,096人増の1万6,276人となったことが、こども家庭庁が公表した調査結果から明らかとなった。待機児童数はコロナ収束に連動するように2年連続で増加。登録児童数も増加傾向が続き、過去最高値を更新した。

 共働き家庭等の小学生を預かる「放課後児童クラブ」の実施状況を把握するための調査は、1998年より継続して実施しているもの。従来は厚生労働省が管轄していたが、2023年よりこども家庭庁が担当している。毎年5月1日現在の利用状況について調査を取りまとめており、今回は2023年度(2023年5月1日現在)の調査結果が公表された。

 登録児童数は前年度比6万5,226人増の145万7,384人で過去最高値を更新。一方、放課後児童クラブ数は、前年度比876か所減の2万5,807か所。うち、放課後子供教室との一体型施設は5,652か所(前年比217か所減)だった。クラブ数減少の大きな要因は、2022年度まで支援の単位数をクラブ数として報告していた自治体がその是正を図ったためとしている。

 学年別の登録児童数は、1年生が44.5万人(30.5%)、2年生が40.6万人(27.9%)、3年生が31.2万人(21.4%)、4年生が16.9万人(11.6%)、5年生が8.3万人(5.7%)、6年生が4.3万人(2.9%)。学年別の割合は、前年度と比較してほぼ横ばいとなっており、低学年が全体の8割を占めている。

 一方、利用できなかった児童(待機児童数)は、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2019年以降減少していたものの、2022年度に続き2年連続で増加。2023年度は前年度比1,096人増の1万6,276人。

 学年別でみると、低学年(小学1~3年生)は前年度比491人増、高学年(小学4~6年生)は前年度比605人増となり、特に小学4年生が5,044人(31.0%)ともっとも多い。都道府県別では、東京都が最多の3,524人、ついで埼玉県1,881人、千葉県1,227人、沖縄県1,076人の4都県が千人超えとなり、全体の半数にせまる割合を占めている。

 なお、放課後児童クラブについては2019~2023年度までの5年間で「新・放課後子ども総合プラン」に取り組んでおり、最終年度にあたり、受け皿確保(152万人分)や待機児童対策に集中的に取り組んできたが、目標の達成は困難な状況だという。今後は、「こども未来戦略」における加速化プラン期間中、早期の受け皿整備の達成などに向け、2023~2024年度に集中的に取り組むとしている。

《畑山望》

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