ベネッセコーポレーションが運営する中高生向け英語専門塾「Route G(ルートグローバル)」は2025年2月24日、海外大進学や留学を考える中学生と保護者向けセミナー「世界で通用する英語力の身につけ方」を開催した。
Route Gはベネッセの海外トップ大進学塾「Route H(ルートエイチ)」がプロデュースする、中高生向けに海外/国内難関大学向けの英語講座を提供している英語塾。教室通塾型・オンライン型両方を展開しており、通塾型は首都圏では「お茶ゼミ√+(ルータス)」の東京本校(水道橋)・渋谷校、 関西では「研伸館」の兵庫県 西宮校・大阪府 上本町校で実施している。
渋谷会場およびオンラインのハイブリッド開催となった本セミナーには約100組の親子が参加。ハーバード大学を卒業し、現在はAI開発の起業家としてグローバルに活躍する山田寛久氏が体験談を披露した。


1993年生まれの山田氏は現在31歳。大学卒業後はスタートアップのIT企業に就職し上場を経験。その後、ハーバード経営大学院を経て、2023年にはAI開発のFirst Mate Technologies社を起業し、現在は、精鋭の多国籍なメンバーと共に世界を飛び回る多忙な日々を送っている。
ハーバード大学で感じたアメリカの大学の魅力とは
山田氏は講演で、自身が感じたアメリカの大学の魅力について、次の3つをあげた。
1つ目は寮生活だ。アメリカの大学の多くは全寮制で、24時間寝食を共にするため、非常に親密な関係になれるという。今でも寮生活で親しかったグループであちこち旅行に行くなど交流が続いており、「4年間、寮生活を通じて切磋琢磨した仲間は一生の友達だ」と語る。
次にあげたのは授業。とにかくアメリカの大学は授業がハードだったと山田氏は振り返る。たとえば政治学の授業では、分厚い政治論文の資料を渡されたものの、授業までに読み終えられず、何も発言できなかったという苦い経験もしたそうだ。また、入学当初は、ひとりで黙々と机に向かうという日本の受験勉強のスタイルから抜け出せず、寮や図書館などに仲間で集まって勉強するスタイルに馴染めなかったが、思い切ってその輪に飛び込んでみると、思いのほか勉強がはかどり、自分の価値観がブレイクスルーされたという。
そして3つ目は、「夏休みのインターンシップ」だ。アメリカの大学の夏休みは約3か月間と長期であるため、学生はフルタイムのインターンシップを行うのが一般的だという。山田氏の場合は、スタートアップからGoogleのような世界トップクラスの有名企業まで、在学中からシリコンバレーの最先端テック企業で働くことができたといい、「このようなチャンスに恵まれたのは、アメリカの大学にいたからこそ」だとしながらも、「日本にいたらGoogleのような有名企業への就職をゴールだと思っていたかもしれないが、Googleもスタートアップも両方経験したことで、新しい、小さいところで働く醍醐味を知り、自分は現状に満足せず、もっと面白いものを探そうと思えるようになった」と振り返った。

英語だけじゃない、4年間の大学生活で身に付くスキル
次いで行われたトークセッションでは、リセマム編集長の加藤紀子をファシリテーターに、山田氏と、Route Gのカリキュラム統括責任者である天藤崇氏が、海外大学への進学について、日本との違いなどを掘り下げた。
日本の大学との違いに関し、山田氏はまず、入学後の専攻について言及。「アメリカの大学は入学時点では専攻を決める必要はなく、2年間じっくりと決めていくシステムになっており、一旦決めた後も、単位をきちんと履修すれば専攻変更が柔軟にできる。高校卒業時に専攻を決められない人にとっては大きな魅力ではないか」と述べた。
また、1日のスケジュールについて、アルバイトに勤しむ人も多い日本の大学生と比べ、「寮生活で、一日中勉強するのが当たり前だった」と山田氏は振り返る。
「起きてから寝るまでずっと大学にいて、勉強はものすごく忙しかった。だが、ハーバードに限らずアメリカの多くの大学ではこれが一般的。ただ、周囲の仲間も同じ境遇なので、自分だけが特別なのではなく、頑張るのは当たり前だと思っていた」と述べ、そうした環境に4年間身を置けたことはその後の人生の自信にもつながったと語った。
さらに、もうひとつの大きな違いとして、山田氏は、4年間の大学生活で、コミュニケーションのための英語力が著しく伸びることも強調した。「特に寮生活を通じて、文化が異なり、多様な見方をする人が集まる場で、英語で自分の意見を論理的かつわかりやすく説明するコミュニケーション力が身に付いた」と語り、「ビジネスで交渉する際に信頼を得る、説得できるなど、グローバル社会で引けを取らずに英語が話せる日本人はまだ多くない」「人口が減少し、グローバルに働く機会が増えていく日本で働く上でも、こうした多様性のある社会で通用するコミュニケーション力をもち、グローバルと日本の文化を行ったり来たりできる、“バイリンガル”にとどまらない“バイカルチュアル”な能力は大いに強みになる」とし、「そうした人材は希少であり、社会からのニーズは高いはずだ」と述べた。

海外大学受験に必須の英語力 高める要となるのは…?
受験準備については、まず、出願のプロセスがまったく違うことがあげられた。山田氏によると、アメリカの大学受験は「日本の就職活動に近い感覚ではないか」という。勉強も必要だが、「何を考えていて、何をやりたくて、何をしてきたのか」といった根底が問われる自分自身のストーリーが重要であり、アメリカでは大学受験に向けて中学生のころから準備を始めるケースも少なくないそうだ。さまざまな課外活動を行いながら、3~4年かけて自分のプロフィールをつくっていき、最後の半年でエッセイにまとめるという長いプロセスを経るため、「対策が勉強のみの日本の一般受験とはまったく異なる」と語った。
この点で、長年にわたり海外大学への進学希望者をサポートしてきた天藤氏は、「高3になって海外大を目指し始めても、英語力以前に、学校の成績(GPA=成績評価の平均値)が良くないと土俵にすら上がれないケースが少なくない。日本では一般受験だと試験一発勝負だが、海外の大学を目指すなら中学3年生から4年間の成績を意識する必要がある」と指摘した。
もちろん、現地の学生と肩を並べて大学の授業を受ける以上、高い英語力は必須となることは言うまでもない。山田氏は、英語力を上げていく工夫について、「海外で通じるための英語力アップには英語の絶対量を摂取することが要となる。私の場合は親の仕事の関係で海外に住む機会もあり、運良く英語に触れる絶対量を増やせたが、それを日本で再現するとなると、日々意識して英語を使う環境に自らを浸していくことが重要だ」と強調した。

受験準備はプロに頼り、親ではなく自分が決断を
とはいえ、今もまだ選択肢としては一般的ではない海外大学の受験。情報収集についてどうすれば良いかと問われた山田氏は、「基本的にプロに頼るのがいちばん良い」と強調。勉強や部活などで忙しい中、日本とアメリカの両方の大学を受験した経験から、それぞれ専門塾を活用することのメリットを痛感したという。
さらに保護者からのサポートについては、「塾の費用を負担してくれたこと、適度に助言してくれたが最終決断を自分に任せてくれたこともありがたかった」と振り返った。
天藤氏によると、「海外大学への進学がうまくいく生徒は、親と対等な信頼関係を築いている子が多い」という。対して、「本人にはやる気がないのに親がリードするようなケースは、反発して英語が嫌いになってしまうこともある」と警鐘を鳴らした。
帰国子女でもなくインターナショナルスクール出身でもない、日本の普通の高校から海外の大学に進学した人たちを多く取材してきた加藤氏は、「カナダの大学が移民や留学生など約2千人の大学生を調査した研究では、自分の能力は努力によって高められると信じ、失敗や困難な状況をチャレンジだと前向きに捉えるマインドセット(成長マインドセット)をもつ学生は、より高い英語力を身に付けることがわかっている。英語圏で育つといった特別な環境にいなくても、単語や文法を自分に合う学び方でコツコツと身に付け、スマホの設定言語を英語にしたり、通学途中歩きながら英語で独り言を話したりと意識的に自分を英語に浸す努力を重ねていけば、英語力は高いレベルまで伸ばせる。海外の大学への進学は、それを自分ゴトとして主体的に取り組めるかどうかが重要なカギだ」と語った。
国内大学受験でも高い英語力が大きな武器になる
山田氏が語ったように、高い英語力を身に付けることは、海外の大学に進学するだけでなく、日本の大学に進学し、日本で働いていく上でも大きなアドバンテージとなる。
天藤氏は、「高い英語力は、日本の大学入試でも武器になる」と指摘。たとえば昨今入学者の割合が増加傾向にある総合型選抜試験でも、TOEFL・IELTSなどの英語資格が求められるなど、海外大学への出願とも親和性があるという。また、大学の一般入試でも、英語の試験で圧倒できれば最難関の東大であっても一気に合格に近付けるという例をあげ、「英語力は積み重ね。早い段階からコツコツと高めていけば、海外・国内のどちらの受験でも、さらに国内でも一般選抜・総合型選抜問わず、どの入試方式にも有効な手段になる」と強調した。


Route Gでは、英語4技能を中心に基礎力を養成する1~3レベルのFoundation講座、4技能に加えてFeeling(細かなニュアンスを感じて表現する感情力)、Thinking(情報を深く理解し発信する思考力)の計6技能を育み、アカデミック英語を完成する4~6レベルのAcademic English講座、さらにSAT(米国の大学進学適性試験)高得点を狙うSAT対策の講座があり、生徒の英語レベルと目標に合わせた無学年レッスンを展開。授業は少人数の1対6の参加型・少人数制で、生徒が発言する機会も十分用意されている。基礎クラスでも中学校3年分の英語を1年で学び、高校3年分を次の1年で習得できるという。
同セミナーでは、Route Gの英語基礎を学ぶレベル2の体験授業が行われ、ハワイ出身でネイティブ講師のキャシー氏による指導から、世界で通用する英語力の基盤をしっかりと築くことを重視しているようすが感じられた。

今後、英語を使って社会で活躍するには、「世界中から進路を選ぶ」という視点はより一層重要になってくるだろう。その足がかりとして、高い英語力の取得は避けては通れない。Route Gは、世界と日本の両方で進路を考え、世界標準の高い英語力を身に付けたいと願う親子のいちばんの味方になってくれるはずだ。
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Route Gで「世界中から進路を選べる」英語力を