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中学入試でも注目集まる、2025年の本屋大賞は『カフネ』

 2025年の「本屋大賞」が、2025年4月9日、発表された。発表のようすはYoutubeライブにて配信。今年の大賞は阿部暁子氏著の『カフネ』が選ばれた。 ※akira先生のコメントを追記

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本屋大賞 2025年受賞作品ポスター
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 2025年の「本屋大賞」が、2025年4月9日、発表された。発表のようすはYoutubeライブにて配信。今年の大賞は阿部暁子氏著の『カフネ』が選ばれた。

 「本屋大賞」は、出版不況と言われる世の中で、「売り場からベストセラーをつくる!」の考えのもと、読者をもっとも知る立場にいる書店員が、売れる本を作って出版業界を現場から盛り上げていきたいという思いから発案された。新刊書の書店(オンライン書店も含む)で働く書店員の投票で決定するもので、過去1年間に書店員自身が読んで「面白かった」「お客様にも勧めたい」「自分の店で売りたい」と思った本を選び、投票するという。

 それでは以下、2025年の「本屋大賞」の作品を紹介する。

2025年本屋大賞

大賞 『カフネ』(阿部暁子著/講談社)

【あらすじ】
 法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていたが、弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことになった。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつなの二人の距離は、食べることを通じて次第に縮まっていく。


カフネ
¥1,870
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

2位 『アルプス席の母』(早見和真著/小学館)

【あらすじ】
 秋山菜々子は、神奈川で看護師をしながら一人息子の航太郎を育てていた。シニアリーグで活躍する航太郎には関東一円の学校からスカウトが来ていたが、選び取ったのはとある大阪の新興校。息子とともに、菜々子もまた大阪に拠点を移すことを決意するが…。


アルプス席の母
¥1,683
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

3位 『小説』(野崎まど著/講談社)

【あらすじ】
 5歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。12歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会い、二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。しかし、その屋敷にはある秘密があった。


小説
¥2,145
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4位 『禁忌の子』(山口未桜著/東京創元社)

【あらすじ】
 救急医・武田の元に搬送されてきた、身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つだった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか…。武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始めるが、鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある思いもよらぬ真相とは。


禁忌の子
¥1,620
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5位 『人魚が逃げた』(青山美智子著/PHP研究所)

【あらすじ】
 ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって…逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始め…。


人魚が逃げた
¥1,350
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

6位 『spring』(恩田陸著/筑摩書房)

【あらすじ】
 自らの名に無数の季節を抱く無二の舞踊家にして振付家・萬(よろず)春(はる)。少年は8歳でバレエに出会い、15歳で海を渡った。同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者…それぞれの情熱がぶつかりあい、交錯する中で彼の肖像が浮かび上がっていく。彼は求める。舞台の神を。憎しみと錯覚するほどに。一人の天才をめぐる傑作長編小説。


spring
¥1,870
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7位 『恋とか愛とかやさしさなら』(一穂ミチ著/小学館)

【あらすじ】
 カメラマンの新夏は啓久と交際5年。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか、葛藤する新夏。啓久が“出来心”で犯した罪は周囲の人々を巻き込み、思わぬ波紋を巻き起こしていく。


恋とか愛とかやさしさなら
¥1,584
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8位 『生殖記』(朝井リョウ著/小学館)

【あらすじ】
 とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。体組成計を買うため…ではなく、寿命を効率よく消費するために。この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。


生殖記
¥1,683
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

9位 『死んだ山田と教室』(金子玲介著/講談社)

【あらすじ】
 夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、2年E組の人気者だった。2学期初日の教室。悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきた…。教室は騒然となった。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、2年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、2Eの仲間たちの不思議な日々がはじまった…。


死んだ山田と教室
¥1,980
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

10位 『成瀬は信じた道をいく』(宮島未奈著/新潮社)

【あらすじ】
 成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生…。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!?


成瀬は信じた道をいく 「成瀬」シリーズ
¥1,584
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

中学入試に取り上げられる?

 本屋大賞のノミネート作品は例年、中学入試の国語の題材としても取り上げられることが多い。いわゆる「中受沼」の方にはおなじみのakira先生(中学受験塾教室長17年目)に、今回のノミネート作品と、来年度の入試に向けて注目されそうな作品についてのコメントとともに、「本屋大賞」というイベント自体をより楽しむためのアドバイスももらった。

【akira先生のコメント】
 本屋大賞が本日発表されました。今年(2025年)、中学受験で多くの学校で出題された『アルプス席の母』は2位でした。これを機会にまた注目されるかもしれません。同じ著者の『問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい』は中学受験がテーマの本です。来年の入試を考えたらこちらの方が注目の作品と言えます。

 本屋大賞と中学受験の素材文というと時期的に中学受験の方が先になります。本屋大賞のノミネート作品の発表は今年は2月3日なのでノミネート作品から中学受験の素材文を予想することはできません。しかし、書店が売りたい本がノミネート作品になると考えたら書店で平積みされていたり、大々的に売り出されているものがその可能性があります。

 この時期はリアルな書店に足を運んで自分が来年の本屋大賞を予想するつもりで本を探してみてはどうでしょうか。GWは受験生も比較的時間が取れる時期です。ぜひ読書も楽しんでください。

 
 なお、2025年度の中学入試の国語で採用された書籍については、2月に紹介している。こちらでもakira先生のコメントを紹介。どの学校でどの本が採用されたかも記してあるので、ぜひ目を通してほしい。


《編集部》

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