キユーピーは、子供が主体的に取り組む調理体験が子供の唾液中のオキシトシン量を有意に上昇させることを確認した。研究成果は2025年12月13日・14日に開催された第23回日本機能性食品医用学会総会で発表し、「最優秀演題賞」を受賞した。
オキシトシンは、おもに人と関わり、触れ合うときに分泌される「幸せホルモン」で、「愛情ホルモン」とも呼ばれる。やすらぎ感をもたらし、ストレスを低減する働きがある。近年では、親子の愛着形成や他者への信頼感を高めるなど、社会的な絆を形成するうえでも重要な役割をもつ。
研究では、野菜や卵を使ったホットドッグの調理体験前後において唾液中オキシトシン量を比較した結果、調理後に有意な上昇が認められた。子供が主体に進めることによる達成感が、ポジティブな生理的変化をもたらした可能性が考えられるという。
保護者に行ったアンケートから、親子での調理頻度別(週に1回以上、月に1回程度、年に数回程度)に結果を比較したところ、調理頻度に関係なく唾液中のオキシトシン量が上昇する傾向にあることがわかった。
保護者の就労状況別(専業主婦・主夫、パート、常勤)でも比較したところ、調理前には就業形態による差が見られたが、調理体験後にはその差がなくなり、就労状況に関係なくオキシトシン量が一様に上昇する傾向が確認された。
今回の研究では、小学生32名を対象に、子供が主体的に取り組む調理体験がもたらす影響を、「幸せホルモン」として知られるオキシトシンを測定することで生理学的に検証。研究の調理介入およびプログラム監修は、子供料理教室を運営するリトルシェフクッキングの協力のもと実施された。
キユーピーは、グループのめざす姿をまとめた2030ビジョンの中で「子どもの笑顔のサポーター」を掲げている。2002年から続ける小学校への出前授業「マヨネーズ教室」を始め、深谷テラス ヤサイな仲間たちファームで開催する野菜教室など、体験機会の創出を通して、未来を創る子供の心と体の健康を応援してきた。今後も研究や食育活動を通して食の楽しさと大切さを伝え、引き続き、子供たちの笑顔につなげていくとしている。

