子どものネット安全性、親の学習経験の有無で大きな差

 内閣府は2月8日、平成22年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」結果について公表した。

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携帯電話の種類
  • 携帯電話の種類
  • 青少年のパソコンの使用率とインターネット利用率
  • フィルタリングの利用率(携帯電話)
  • フィルタリングの利用率(パソコン)
  • 青少年のトラブルの経験(フィルタリングの有無別)複数回答
  • フィルタリングの利用率【保護者の啓発経験の有無別】
  • 青少年の携帯電話やパソコンの使用について注意していること(親子間の比較)複数回答
  • 家庭でのルールづくり(携帯電話)
 内閣府は2月8日、平成22年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」結果について公表した。

 この調査は、青少年とその保護者を対象にインターネットの利用状況やフィルタリングの認知・普及状況およびフィルタリングの改善ニーズなどを調査し、青少年インターネット環境整備法の実施状況のフォローアップのための基礎データを得ることを目的に平成21年度より継続実施しているもの。調査対象は満10歳〜17歳までの青少年2,000人とその保護者、調査期間は平成22年9月1日〜20日、調査員による個別面接方式、回収結果は青少年調査1,314人(65.7%)、保護者調査1,400人(70.0%)。

 携帯電話の所有率は、小学生は20.9%、中学生は49.3%、高校生は97.1%。パソコンの使用率は、小学生では81.9%、中学生では86.5%、高校生では88.0%だった。

 携帯電話の所有者のうち、スマートフォンの使用者は小学生ゼロ、中学生2.6%、高校生3.9%だった。携帯電話所有者のうち、小学生の85.6%、中高生のほとんどがインターネットを利用している。平成21年度調査結果と比較すると、携帯電話所有率も携帯電話でのインターネット利用率もともに大きな差はない。

 携帯電話のフィルタリング使用率は、小中高いずれも昨年度より増加。パソコンのフィルタリングは、昨年度と比較して、小学生では減少、中高生では増加している。

 「チェンメールが送られてきた」「知らない人からメールが来た」「悪口やいやがらせのメール・書き込み」などのトラブルや問題行動の経験率について、携帯電話のフィルタリングの有無別にみた場合、フィルタリングを「使っていない青少年」の経験率は、「使っている青少年」に比べて、すべての項目において数%から15%高くなっている。

 フィルタリングの利用率や保護者の管理(ペアレンタルコントロール)では、携帯電話とパソコンともに、「学んだことがある保護者」は「特に学んだことはない保護者」より高い。平成21年度調査結果と比較すると、パソコンについての「特に学んだことは無い保護者」を除き、いずれもフィルタリング利用率は向上している。特に携帯電話では、「学んだことがある保護者」と「特に学んだことはない保護者」のいずれも10ポイント以上増加している。

 青少年の携帯電話やパソコンの使用について注意していることについての調査では、保護者の学習経験別にみると、「学んだことがある保護者」が「特に学んだことはない保護者」をすべての項目で上回っており、特に「マナーや危険性について子どもと話し合うこと」では24.2ポイントの差がある。

 携帯電話についてルールを決めている家庭は、小学生と中学生では7割半ば、高校生では62.0%で、いずれも昨年度より増加しており、特に小学生では16.5ポイント高くなっている。パソコンについてルールを決めている家庭は、小学生で61.2%、中学生で56.3%、高校生で42.8%となり、いずれも昨年度より増加している。

 保護者が求める「子どものインターネット利用に必要な取組み(複数回答)」については、「有害サイトへの規制強化」が62.9%、「家庭における取組みへの支援」が59.0%と高い割合になっている。
《前田 有香》

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