【e-Learning Korea】1学期分が電話帳のように分厚い韓国の小学生用教材

 「e-Learning Korea 2011」では、デジタル教材とともに一部、従来の紙の教材も展示されていた。日本のそれに比べ厚く、重いという印象をもち、書店を取材してきた。

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COEX MALL内にある書店「Bandi&Lunis(バンディ&ルニース)」
  • COEX MALL内にある書店「Bandi&Lunis(バンディ&ルニース)」
  • 小学生用、学年別の後期分の教科書ガイドセット
  • 中学生用、後期中間試験対策用教材セット
  • 学校名が手書きされていた
  • 保護者向けの育児書・教育書コーナー
  • タレントの美容本を熟読している男性
 韓国ソウルで9月6日〜8日に開催された「e-Learning Korea 2011」では、デジタル教材とともに一部、従来の紙の教材も展示されていた。日本のそれに比べ厚く、重いという印象をもち、書店を取材してきた。

 訪れたのは、e-Learning Korea 2011が開催されていたコンベンションセンターと同じCOEXのショッピングモール、COEX MALL内にある「Bandi&Lunis(バンディ&ルニース)」だ。雑誌からコミック、小説、実用書、学習書、教科書、絵本、そして知育玩具まであらゆるジャンルが揃う大型書店だ。

 学習書コーナーには、電話帳ほどのボリュームがある教材が平積みになっていた。複数学年分の教材にも見えるそのセットは、なんと小学校の学年別の2学期(2学期制の後期)のみの教科書ガイドだというから驚きだ。

 続いて中学生コーナーに行くと、小学生用よりはやや薄い教材セットが学校名入りで販売されていた。こちらは、中学校の2学期(後期)の中間試験のみの対策用教材という。ある学校のセットを見ると、国語、数学、理科、社会、道徳、そして音楽、美術、体育が封入されていた。英語はさらに別冊も用意されていた。韓国の大学受験の過熱ぶりは、遅刻しそうな受験生のためにパトカーが出動する様子などが日本でも放映され有名となったが、最近では高校受験も激化していると聞く。もちろん日本の受験も厳しいが、1度の定期試験用に学校別に分厚い教材が販売されている、すなわちこれが売れるということが、韓国の厳しい教育・受験事情ひいては学歴社会を物語っているのではないだろうか。

 続いて、保護者向けの育児書・教育書コーナーに目を向けてみると、「小学校入学前の小論文」「テストに強い子の育て方」「集中力を高める眠り方」「お母さんの英語の教え方」などのタイトルが並ぶ。「勉強も体も小3で決まる」は、日本における中学受験事情と重なるところか。

 学習関連以外で目を引いたのは、雑誌の分厚いこと、立ち読みをしている人の多いこと。堂々と荷物を下に置いて熟読する人あり、スマートフォンで複数ページを撮影する人あり。書店でメモを取る人が多いとは聞いていたが、悪気ない様子で写真を撮っているのには驚いた。ほかには、タレントの美容本を熟読している男性の姿が印象的だった。
《田村麻里子》

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