立教と日本MS、グローバル人材育成で連携…6月より公開講座

教育・受験 学習

立教大学 総長 吉岡知哉氏
  • 立教大学 総長 吉岡知哉氏
  • 日本マイクロソフト 代表執行役 社長 樋口泰行氏
  • 立教大学の吉岡氏と日本マイクロソフトの樋口氏がそれぞれ協定書に調印
  • 立教大学 経営学部教授 総長室調査役 山口和範氏
  • 日本マイクロソフト 業務執行役員 文教ソリューション本部長 中川哲氏
  • 日本マイクロソフトの立教大学との教育連携
  • 立教大学と日本マイクロソフトの連携における立教大学のIT環境。マイクロソフトの中大規模教育機関向けプログラムのもと、全構成員数(全教職員・全学生)でライセンス契約。「Microsoft Office 365 for Education」を全学採用する
 立教大学と日本マイクロソフトは5月28日、世界で活躍する人材育成に向けた講座の共同開発を発表し、立教大学の池袋キャンパスにおいて、連携に関する協定書調印式および共同記者会見を行った。

 立教大学と日本マイクロソフトは、世界で活躍する人材育成に向けた新しい教育プログラムを共同開発し、立教大学で日本マイクロソフト社員による連続公開講座を今年6〜7月に実施する。さらにその内容を整備し、2013年度には、立教大学の全学生を対象とした「考える技術・伝える技術〜立教型ビジネス基礎講座〜」を開講。マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Windows Azure Platform」を活用したeラーニングを展開する。

 今回の連携の意義について、立教大学の経営学部教授 総長室調査役である山口和範氏は、「大学は今、世界・社会とどうつながるか。社会へ出る前に、学生の“共に生きる”という力をどう育成するかが、今の大学教育においての一つの大きな課題になっている」と語る。

 立教大学は、1907年に文科と商科でスタートし、商学教育には100年を超す歴史がある。また2006年に開設した経営学部では、「リーダーシップ」を「グローバル化」との二本柱として教育を展開。特に、グローバル社会で活躍できる人材の養成を目的に作られた「BLP(ビジネス・リーダーシップ・プログラム)」は、文部科学省からも高い評価を受け、他大学でも類似の試みが始まっているという。

 こうした取り組みを、日本マイクロソフトとの連携によって経営学部以外の学部生へも展開することで、専門教育に加え社会性を身につけ、組織活動ができる人材として社会へ送り出したい考えだ。

 講座内容のコンセプトを説明するにあたり、日本マイクロソフトの業務執行役員 文教ソリューション本部長である中川哲氏は、組織心理学者クリス・アージリスの「シングルループ学習・ダブルループ学習」を引用。前者は、既存の概念や体験をなぞるのみ、後者は、それを変革し新しいナレッジを創造することで、講座は後者だと説明した。

 中川氏は、「私がマイクロソフトに勤務して15年くらいになるが、“正しくやる(Do the things right)のではなく、正しいことをやる(Do the right things)”と叩き込まれてきた。グローバルITカンパニーである私たちのビジネスの現場で、非常に早いサイクルで実際に行われていることを、学生のみなさんに伝えていきたい」と語る。

 講座は、2012年6〜7月にかけて、「考える技術・伝える技術」と題し、経営学部にて5日間実施される。セッションの構成は以下のとおり。

◆考える技術・伝える技術 〜立教型ビジネス基礎講座〜
・ビジネスの現場でいま何が起きているか?[ビジネスの推進者]
・ビジネスの課題を見つけ出し解決する[分析力/洞察力]
・アイディアをまとめてビジネスを組み立てる[論理思考力/構成力]
・説得力のあるプレゼンでビジネスに勝つ[表現力/訴求力]
・ビジネスをドライブする力をつける[コミュニケーション力/交渉力]
・ビジネスに勝てるチームを作る[マネジメント力/統率力]
・求められるビジネスコンプライアンス[社会要請対応力]
・パネルディスカッション & QA

 そして2012年8月以降、教育課程としての要件を整備したのち、2013年度には、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Windows Azure Platform」の活用により、文学部・理学部等も含め全学生を対象にした、恒常的なeラーニング講座を開講予定。

 共同記者会見の冒頭で挨拶に立った、立教大学の総長である吉岡知哉氏は、「“リベラル”・アーツ”“教養”は、抽象的な観念や、専門外の単なる知識の集積物ではない。様々な知識へどうアプローチするか、体系化されていない不確定なものをどう発見するか、扱っていくか、そして、既存の様々な知識を結び合わせ、まったく新しいものをどう創り出していくか。今回の日本マイクロソフトとの共同開発は、こうした技術や発想の教育において重要」と語る。

 講座名に「立教型ビジネス基礎講座」とあるが、吉岡氏は「狭い意味のビジネススキルではなく、専門や分野を越え、これからの人間社会を創っていく、あるいは一員として生きていくことに役に立つスキル」と説明する。

 また、日本マイクロソフトの代表執行役 社長である樋口泰行氏は、「日本の競争力自体が議論されている。台湾・韓国・中国を始めとしたアジア各国が、先進の教育、あるいはビジネスに直結した教育を取り入れている。世界で開発できる人材育成が重要となる中、民間、かつグローバルな企業である私たちがお役に立てることがある」と語る。講師には「社内でもエース級の講師を投入する」(樋口氏)そうだ。

 日本マイクロソフトは、今回の連携により、「立教型インターンシッププログラム」(立教大学キャリアセンターによる正課外教育プログラム)を開始し、2012年度は3名の学生を受け入れる。樋口氏は、挨拶の最後で「今回のような広範囲な連携は初めての試み。必ず成功させるという気持ちで、立教様とこれから密に連携して開発させていただきたい」と意気込みを語った。
《柏木由美子》

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