文科省、懲戒と体罰の区別を教委に通知…頬つねるのは体罰

 文部科学省は3月13日、全国の教育委員会へ体罰の禁止と児童生徒理解に基づく指導の徹底を通知した。教職員が体罰に関する正しい認識を持つよう取り組むことが必要であるとし、懲戒と体罰の区別について具体的な事例を挙げて説明している。

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体罰の禁止および児童生徒理解に基づく指導の徹底について
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  • 児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例
 文部科学省は3月13日、全国の教育委員会へ体罰の禁止と児童生徒理解に基づく指導の徹底を通知した。教職員が体罰に関する正しい認識を持つよう取り組むことが必要であるとし、懲戒と体罰の区別について具体的な事例を挙げて説明している。

 2012年12月に大阪市立桜宮高校の男子生徒が体罰を苦に自殺した事件を受け、同省は教職員による体罰の状況を深刻に受け止めている。体罰を厳しい指導として正当化することは誤りであり、いかなる場合も体罰を行ってはならないとし、適切な指導を学校に対して要請した。

 殴る、蹴るなど身体に対する侵害を内容とするもの、正座など姿勢を長時間にわたって保持させるといった、児童生徒に肉体的苦痛を与えると判断された場合は、体罰に該当するという。

 具体的には、「立ち歩きの多い生徒を叱ったが聞かず、席につかないため、頬をつねって席につかせる。」「給食の時間、ふざけていた生徒に対し、口頭で注意したが聞かなかったため、持っていたボールペンを投げつけ、生徒に当てる。」などの行為は体罰にあたる。

 また、「別室指導のため、給食の時間を含めて生徒を長く別室に留め置き、一切室外に出ることを許さない。」などの行為は肉体的苦痛を与えると判断される。

 一方、「放課後等に教室に残留させる。」「学校当番を多く割り当てる。」など肉体的に苦痛を伴わない行為は、通常、懲戒権の範囲内と判断される。さらに、児童生徒から教員等に対する暴力行為に対して、教員等が防衛のためにやむを得ずした有形力の行使は、正当な行為と判断される。
《工藤めぐみ》

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