子どもができるロボットのプログラミング、「教育版レゴ マインドストーム」

 アフレルが9月より販売している「教育版レゴ マインドストームEV3」は、子ども向けレゴにはないギアやモーターなどのパーツが豊富で想像力を掻き立てる。製品の特徴や、学習要素、学校または個人での楽しみ方などを含めEV3をレビューした。

教育ICT その他
自立走行中のジャイロボーイ
  • 自立走行中のジャイロボーイ
  • 「教育版レゴ マインドストームEV3」セットの中身
  • 組み立て中のジャイロボーイ
  • 組み立て中のジャイロボーイ
  • トレーニングロボットを組み立て中
  • カラーセンサーと超音波センサーを取り付けた
  • モデルコアセットの4つのロボット
  • コンテンツエディターのチュートリアルビデオを見ることができる
 学習効果については、たとえばパーツの形の識別や組み立て図による立体のイメージなど、空間認識能力のよいトレーニングになると思われる。部品は色分けされており、附属の組み立て図もフルカラーでかなり正確なイラストだが、複雑になってくれば、注意力や観察力が必要だし、同じパーツでも右側、左側で取り付け位置が変わるものも認識しなければならない。

 複雑な機構の組み立て方やブロックの拡張や改造を通じて、機構部分の構造や設計スキル向上にも役立つはずだ。モーター、歯車、ロッドやリンクによっていろいろな動きを実現できるが、ブロックによってそれを実験しながら確認できる。こういう動きをさせたいが、どんな部品や機構が利用できるか、となったとき、レゴの経験は役立つだろう。

 つまり、「教育版レゴ マインドストームEV3」には、エンジニアリングに必要な要素がすべて詰まっているといえる。STEM教育というと3Dスキャナーと3Dプリンタが注目されているが、すでにでき上がったものや誰かが作ったものの立体コピーを作るだけになってしまう危険性がある。3Dのモデリングソフトで「モノ」を設計する場合、レゴから複雑なものを組み立てる経験や訓練は、モデリングソフトを効果的に使うために役立つだろうし、新しいものを作るためには欠かせない基本スキルとなるだろう。

教育版レゴ マインドストームEV3
《中尾真二》

中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。エレクトロニクス、コンピュータの専門知識を活かし、セキュリティ、オートモーティブ、教育関係と幅広いメディアで取材・執筆活動を展開。ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から使っている。

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