このタブの下にアイコン化された命令が用意されており、プログラムは、これらのアイコンをつなぐことで行う。レゴらしく、命令のブロックを組み立てるイメージでプログラミングを行うわけだ。プログラミング言語や開発環境を知らない子どもに適した分かりやすい画面で操作することができるのが特徴。さらに細かい制御がしたい、思った処理が記述できないとなった場合は、本格的なロボットのプログラミングにステップアップすればよいだろう。◆サンプルプログラムをダウンロード・実行する ロボットエデュケーターには、モーターの制御、センサーの読み取り、ループ制御のパターン、変数の扱い、インテリジェントブロック上のディスプレイへの文字、同スピーカーへの音の出し方など、ひととおりサンプルが載っている。まずは、これと同じプログラムを作ってみると分かりやすい。アイコンのデザイン、カーソルのロールオーバーで表示されるガイドを見ながら、デジタルネイティブの子どもならコツはすぐにつかめるだろう。 この記事を執筆中、中学2年生の息子が興味を示したので、簡単なアドバイスでプログラムさせてみた。もともとRPGを自作できるソフトなどでは遊んでいたので、感覚をつかむのは早かった。2つ目のプログラムではすでに変数を使ったものになっていた。感想を聞いたところ「学校に買わせたい」とのことだった。 プログラムの実行は、EV3の制御部(インテリジェントブロック)をUSBケーブルなどでPCとつないでいれば、ダウンロードして実行ボタンを押すだけだ。これらの操作は、画面右下に表示される「ハードウェア画面」で行う。サンプルプログラム変更を加えた場合も、すぐに実行し、ロボットで確認ができる。◆4つのロボットで機構とプログラミングの引き出しを増やそう 各部の制御方法やプログラミングを理解したら、トレーニングロボットを自分で改造していくのもよいだろうし、「モデルコアセット」で組み立て可能な4つのロボットを組み立ててもよい。モデルコアセットでは、「ジャイロボーイ」「カラーソーター」「パピー」「ロボットアームH25」の4つの組み立て図とサンプルプログラムが用意されている。 ジャイロボーイは、ジャイロセンサーを使って2輪のみでバランスをとって自立するロボットだ。サンプルプログラムはジャイロセンサーの値を常に静止状態にするよう、数値を読み取りながらモーターを細かく制御する処理が記述されている。カラーソーターは、ブロックの色をカラーセンサーで読み取らせてスタッカーに入れると、ソーターが色ごとの適正な位置に分けてくれる機械だ。パピーはタッチセンサー、カラーセンサーのほか、プログラムによって反応する犬型ロボット。ロボットアームH25は、インテリジェントブロックのボタン操作で、周辺のものを所定の場所に移動させる動作を行う。 どれも詳細な図解が入っているので、1~2時間あれば完成させることができるだろう。サンプルプログラムで動作確認を行ったら、処理の改良やブロックやセンサーの追加によって機能を拡張して楽しむことができる。 トレーニングロボットやモデルコアセットのロボット群をひととおりこなせば、モーターやセンサー類のさまざまな応用パターン、そしてギアや車輪、アームなどを使った各種機構の作り方、インテリジェントブロックの表示やボタン操作方法についても知識と経験が得られる。これらの「引き出し」を増やせば、思ったものをEV3で実現できる範囲が広がるはずだ。◆最後に ほかにも動作中のモーターの状態、センサーの値などをロギングし、グラフ表示したり別のEV3とメッセージと通信させたりと、今回紹介できなかった機能でも面白そうなものが多数ある。応用範囲、活用範囲は広いので、学習、趣味と幅広く楽しめるだろう。