【特色のある大学】面倒見のよさで「入って伸びる大学」を目指す、聖学院大学

 聖学院大学の特長を1つあげるとすれば、それは「先生と学生の距離が近い大学」。小規模な大学ということもあり、教職員の目が行き届き、学生との距離を近づけているのだという。

教育・受験 学校・塾・予備校
聖学院大学
  • 聖学院大学
  • 政治経済学科1年次生の基礎教育入門(書き方)の授業課題。朱書き添削が細かく入る
  • オンリーワン発見ゼミナール。自分の長所に気づき、充実した学生生活を送ることが、結果的には良い就職につながるという考えに基づき行われるプログラムを主に1、2年生対象に月1回開催
  • 入学前準備教育。日本文化学科の学生(左)が入学予定の学生たちに自分の経験をプレゼン
  • 留学生との交流の風景が、キャンパスのいたるところで見られる。アフリカなど非漢字圏の学生も活躍
  • 絶就研(絶対就職するための研究会)。就職が内定した先輩が自らの就職体験を生かして3年生にアドバイスをする
◆高校から大学へとシフトするための初年次教育

 聖学院の「面倒見のよさ」を象徴する試みの一つとして、初年次教育がある。たとえば「基礎教育入門(書き方)」では、学術的な文章を書くための基礎知識を学ぶ。原稿用紙の使い方から、書くために必要な論理的思考、資料の集め方、読み方、メモの取り方に至るまでみっちり学び、個別指導による添削を繰り返しながら、半年後には、大学で求められるレベルのレポートが書けるようになるという。

 政治経済学科2年の須賀一葉さんは、「基礎教育入門(書き方)で配布されたプリントは非常にわかりやすく、すべてファイリングして大切に保管し、今でもレポートを書くときなどに見直しています。」と言う。またレポートの書き方に悩んだときなどは、今でも基礎教育入門の先生に相談しているのだそうだ。

 ゼミに備えての予備演習も必須科目として用意されている。たとえば、「予備演習C(プレゼンテーション)」では、学生自らがテーマを選び、レポート等の課題作成とプレゼンテーションを実施し、「読む」「書く」「話す」「聴く」の総合的なコミュニケーション能力の向上を目指す。これは、就職してから求められる社会人基礎力の育成にもつながる。

 政治経済学科1年の桜井賢二郎さんは、「プレゼンを行った後、先生が不明瞭な点を指摘し、丁寧で適切なアドバイスをくださったのが非常によかったです。プレゼンで学んだことは、日常生活で人前で話すときにも役立っています。」とし、「学生の関心を引き出すような授業を展開してくれる先生が多いです。」と話してくれた。

 また、全国的な傾向として、大学入学時の学生間には、高校までに身につけた学力、学習習慣、意欲に大きな差がある。聖学院では、基礎的な学力でつまずいている学生には、ラーニングセンターに常駐する専門スタッフが対応するなど、学習面のサポートを行う環境を整えている。

◆進路率100%を目指す就職指導

 「就職指導でも、面倒見がよいと自負しています。」と語るのは、同学の職員だ。キャリアサポートセンターが拠点となり、1年次から、自己分析や適性検査など、キャリアガイダンスを実施している。

 特徴的なのが、「オンリーワン発見ゼミナール」だ。少人数のワークショップを通じて、自分の強みを見出し、自己肯定感を高め、就職活動に向けて、自信をつけていく。

 資格取得面のサポートも充実している。保育士、幼稚園教諭、小・中・高等学校教諭、図書館司書、社会福祉士、精神保健福祉士など、国家資格取得のためのガイダンスや特別講座を実施。なお、社会福祉士については、2013年に現役合格率全国私立大学トップの実績をあげている。

 「地元に根付いた大学」も聖学院の特長だ。地元企業とのネットワークを活かしたインターンシップを多数行い、これをきっかけに地元企業に就職し、地域に貢献することに生きがいを見出している卒業生も多い。「大企業に就職することだけが人生の幸せとは限りません。学生一人ひとりが自分に合った仕事を見つけ、よい仕事をすれば、それはよい人生につながります。」職員は語る。

 キャリアサポートセンターにとどまらず、教職員が一丸となって、「進路率100%=就職も進学も希望をかなえること」を目指しているという。

◆受験生・保護者へのメッセージ

 「本学では、全国の大学の9割が行っているセンター試験を実施していません。なぜなら、私たちはできるだけ丁寧に受験生を見て、点数ではなく、むしろ点数化できない個性や人間性をもとに、本学の特性に合った学生に入学してもらいたいからです。

 有名大学に入っても、自分の居場所が見つからず、学びたいことと大学とのミスマッチに悩んでいる学生はたくさんいます。お子さんのためによい進路を選ぶのであれば、ぜひ、偏差値や大学のブランドなどにとらわれず、本当にお子さんに合った大学を選びとっていただきたいと思います。

 大学に入るまでに、自分に何が合っているのか、何がしたいのか見つけられなかったとしても、意欲さえあれば、伸びるきっかけを見つけることができます。」

 職員の一人は、「聖学院大学なら、必ず伸ばすことができます。」と自信を見せる。聖学院大学は、「面倒見のよさ」で「入って伸びる大学」を目指す。
《石井栄子》

石井栄子

子育てから、健康、食、教育、留学、政治まで幅広いジャンルで執筆・編集活動を行うフリーライター兼編集者。趣味は登山とヒップホップダンス、英語の勉強。「いつか英語がペラペラに!」を夢に、オンライン英会話で細々と勉強を続けている。最近編集を手掛けた本:『10歳からの図解でわかるSDGs「17の目標」と「自分にできること」』(平本督太郎著 メイツ出版)、『10代から知っておきたいメンタルケア しんどい時の自分の守り方』(増田史著 ナツメ社)『13歳からの著作権 正しく使う・作る・発信するための 「権利」とのつきあい方がわかる本』(久保田裕監修 メイツ出版)ほか多数

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