たとえば、筑駒の出願書類には保護者が記入する欄と、通っている小学校に学校名と校長名を記載いただき、公印を押していただく欄があります。2日間に渡る出願で初日に学校に向かいましたが、何と校長先生の公印をいただくことを失念しており、出願窓口で指摘を受けてしまいました。取り急ぎ、小学校に出向き、副校長先生に事情をお話しし、その日のうちに公印を頂戴することができました。 麻布の出願書類には、小学校の校長名を記入する欄があります。これもまた記入を失念しており、出願を待っている講堂でインターネットに接続し、Webサイト上で公開されている学校だよりから校長先生のお名前を確認し、その場で記入しました。 市川では世界地理が出題されるのですが、地理資料を持参しておらず、結局ホテルから自宅まで資料を取りに戻ることになりました。ただ、これも怪我の功名で、当日の朝、息子が偏頭痛を訴えることになるのですが、資料とともに持参したいつもの頭痛薬を服用することができました。 函館ラサールでは、通知表のコピー、筑駒の1次出願では出願書類に校長公印、2次出願では受験番号を明記した内申書(調査書)の提出が求められます。筑駒の内申書には、5年生、6年生の欠席日数とその理由、教科の成績、係活動などの記載欄もあります。学校の担任の先生に、我が子の特徴や得意なことなど、すらすらと関係書類に書いていただけるような関係性の構築や意思の疎通を図っておけるとよいかと思います。 試験では学校を公欠することになりますし、受験日程を事前にお知らせするとともに、受験中も子どもの様子など、担任の先生に伝えられるようにしたいものです。◆学校によって試験問題は大きく異なる 我が子は、浜学園「灘中特訓」を受けるなかで、「閃き力」を問われる問題を解く楽しさを覚えました。灘の2日目の算数問題では、なるほどと思わせる初見の出題が多く、関東でもその出題形式は注目されているようです。 一方、筑駒の問題は、地道な作業の中から規則性を見出す問題が多く、「手を動かす」「正確に処理をする」という地道な「こつこつ算数」が重視されているようです。また、「こつこつ算数」の中でも、我が子は「場合の数」がもっとも苦手でした。 国語はさらに出題傾向が異なります。たとえば、麻布は物語1題のみの出題に対し、筑駒は論説も詩も出題されますし、その年によっては、物語がまったく出なかった年もあるようです。解答欄も、筑駒はスペースが狭いため、1行で書くのか、2行で書くのか、それとも要約すべきなのか、塾によっても指導を受ける内容が異なることがありました。それだけ対応力が求められる出題であると言えるでしょう。麻布では、問題は難しいのですが、解答欄の大きさが、答えたいと思う文量に対応しており、受験生は迷わず書き進めることができるようです。 試験問題は、学校から生徒や保護者へのメッセージと言われることがあります。ぜひ保護者の目線からも、志望校の問題や解答など、出題傾向を確かめてみてください。