高校奨学生の3割以上がバイト経験、教育費や生活費に

 あしなが育英会は12月6日、奨学金を貸与している高校生の3割以上にアルバイト経験があるという調査結果を公表した。バイト代の平均月額は34,784円。使い道は、半数が「教育関連費」、4分の1が「家庭の生活費」だった。

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高校生になってからのバイト経験(男女別)
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 あしなが育英会は12月6日、奨学金を貸与している高校生の3割以上にアルバイト経験があるという調査結果を公表した。バイト代の平均月額は34,784円。使い道は、半数が「教育関連費」、4分の1が「家庭の生活費」だった。

 調査は11月、同会が奨学金を貸与している高校生を対象に郵送で初めて実施。2,118人から回答を得た。奨学金の月額は、国公立高校25,000円、私立高校30,000円。

 アルバイト経験がある高校生は36.6%。男女別では、女子41.4%、男子31.3%と10ポイントの差があった。地域別では、首都圏(46.3%)や東海・北陸(44.3%)が高かった。

 バイト代の月額は、「2~4万円未満」が42.5%ともっとも多く、次いで「4~6万円未満」20.4%、「2万円未満」17.3%、「6万円以上」11.6%。平均額は34,784円だった。

 使途は、「おこづかい」が最多の72.0%だったほか、「貯金」41.8%、「通学・部活など学校の費用」41.2%、「ケータイ代」33.9%、「家庭の生活費」25.3%、「学習塾や進学の費用」9.1%と続いた。

 高校卒業後の進路希望は、「大学・短大進学」40.7%、「就職」29.8%、「専門学校進学」19.8%、「未定」9.4%。文部科学省による高卒者の大学・短大進学率56.7%(平成26年度学校基本調査)より、希望段階で16ポイントも低い実態にあった。

 就職希望の主な理由は、「進学したいが経済的に無理」(29.3%)と「進学したいが家計を助けなければならない」(7.0%)を合わせた36.3%が、「経済的理由や家計支援のための進学断念」だった。

 経済的な理由による学業のはく奪体験については、42.3%が「何らかあった」と回答。具体的には、「進路変更」20.9%、「学習塾に通えなかった」20.3%、「勉強への意気込みが減った」12.4%、「進学断念」9.8%などだった。

 生活に関するはく奪体験では、53.6%が「何らかあった」と回答。「洋服や靴などを我慢」37.4%、「習いごとなどができなかった」17.4%、「クリスマスプレゼントなどがもらえなかった」15.1%、「お年玉がもらえなかった」12.7%、「ケータイを我慢」9.4%などが並んだ。
《奥山直美》

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