【父親座談会(前編)】私立中高一貫校のよさと我が子の成長

 私立中高一貫校は、学校ごとに特色や魅力があり、根強い人気がある。入学後はどのような学校生活を送っているのか、お子さんの成長を保護者はどのように感じているのか、在学生・卒業生のお父様4人に語っていただいた。

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◆入学してみてわかったこと

横山さん(麻布):麻布は、休みがとても多いのに驚きました。夏休みは6月下旬から9月第2週まであります。その間どう過ごすか、子どもたちだけでなく親にも責任を求められているのではないかと思います。長期休暇中の宿題はそれほど多くありませんが、難易度が高いように思います。家庭科では出汁巻玉子を作るという課題が出て、悪戦苦闘して作っていました。親も何度も食べさせられました(笑)。

池田さん(カリタス):カリタスではありませんが、上の娘(女子校)のとき、学校は生徒のインターネットの利用状況を非常によく見ていて、不正利用がないかチェックしていることに驚きました。戸惑ったことではありませんが、学校見学は休日のことが多いので、これから志望校を決められるご家庭は、平日に学校を訪れて、通学のようすや普段の授業のようすを見るといいと思います。

◆私立中高一貫校ならではのよさ

池田さん(カリタス):私も私立中高一貫校出身ですが、卒業して以来30年以上、毎年クラス会をしています。こういう密な人間関係は一貫校ならではのものだと思います。娘も二人とも、今大学生ですが、中高時代の友達とは今でもお付き合いがあります。大学でももちろん友達はできましたが、中高の友達は特別なようです。

田中さん(開智):高校受験がなく、カリキュラムが前倒しで進められるので、余裕をもって大学受験に臨めることがいいですね。いま中学生ですが、すでに高1の内容を学んでいます。親としては、勉強を教えるのがだんだん難しくなり、最近、数Iの参考書を買いました(笑)。

池田さん(カリタス):高校受験がないので、大学受験の準備をじっくりできるのはいいですよね。

横山さん(麻布):中1の3学期に、現代文の授業で哲学をやったと聞いて驚きました。やはり高校受験がない分、カリキュラムに余裕があり、深い学びができる。教科書に沿った内容だけでなく、先生が独自に作ったプリントを使って「こんなに細かいことまでやるの?」という内容を学んでいる。そこまでしていただけるのはありがたいですね。

◆私学ならではの学びや行事

永島さん(共立):礼儀作法の授業が伝統のようですね。大人になっても役立つので、そうした授業があるのはよいと思います。

池田さん(カリタス):希望者を対象としたカナダ研修があり6割ぐらいの生徒が参加しています。国内の研修施設で行われるイングリッシュキャンプは、全員参加。日本語禁止で英語漬けの環境で勉強するようです。ほかにもボランティアで老人ホームを訪れるなどいろいろな行事があって、情操教育面でもいいことだと思います。

田中さん(開智):「探求」という授業があります。年に2回、自分でテーマを見つけて、自分で調べ、まとめて、皆の前で発表します。受験勉強では得られない総合的な力がつくのではと期待しています。

横山さん(麻布):宿泊をともなう行事としては、沼津まで創立者のお墓参りに行くというのがあります。キャリア教育の一環としては、OBを招いての講演会があります。各界で活躍するOBも多く、そうした先輩方の姿を見ることが、生徒たちの将来につながっていくのではないかと思います。
《石井栄子》

石井栄子

子育てから、健康、食、教育、留学、政治まで幅広いジャンルで執筆・編集活動を行うフリーライター兼編集者。趣味は登山とヒップホップダンス、英語の勉強。「いつか英語がペラペラに!」を夢に、オンライン英会話で細々と勉強を続けている。最近編集を手掛けた本:『10歳からの図解でわかるSDGs「17の目標」と「自分にできること」』(平本督太郎著 メイツ出版)、『10代から知っておきたいメンタルケア しんどい時の自分の守り方』(増田史著 ナツメ社)『13歳からの著作権 正しく使う・作る・発信するための 「権利」とのつきあい方がわかる本』(久保田裕監修 メイツ出版)ほか多数

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