IDC Japanが2016年1月28日に発表した国内タブレットソリューション市場予測によると、教育分野向けタブレット出荷台数は、2015年に44万台を見込み、教育分野の売上額は、2015年に219億円、2019年に293億円になるとみている。学校より先に、塾や通信教育で需要が立ち上がる可能性が高いと推測される。
すでにベネッセやZ会、小学館集英社プロダクション、ジャストシステム、リクルートでは、小学生向けにタブレット端末を利用した通信教育を展開している。動画や音声を取り入れることで子どもの興味や理解力が向上し、ひとりひとりに合った学習内容やアドバイスにより、効果的に力を伸ばせる。
◆ベネッセ「チャレンジタッチ」
音声と動画による授業で、子どもの理解をサポート。基礎・応用・挑戦の3レベルから選べる。赤ペン先生による個別指導でやる気を高め、学習内容と連動したアプリで知的好奇心を育てる。チャレンジタッチのほか、2016年4月より、デジタル授業(iPad利用)と紙教材を組み合わせた「進研ゼミ小学講座 ハイブリッドスタイル」も提供開始する。
◆Z会「小学生タブレットコース3・4年生」
小学3年生と4年生向けの「小学生タブレットコース」が2016年4月に新規開講する。自動で作成される学習スケジュールに沿って動画やアニメーションによる解説を受け、タブレットから課題提出をする。また、同じく2016年4月に新規開講する「中学受験コース3・4年生」もタブレット端末を利用する。いずれのコースも先着1,000名限定で、Z会員特別価格からさらに10,000円引きでZ会推奨・対応端末を購入できるクーポンをプレゼントする。
◆小学館「徹底反復デジタルドリル」
幼児の「ことば・英語」から小学1~6年生の「漢字・計算」「理科・社会科」「英語」に対応し、反復学習ができる。漢字練習ではアニメーションで書き順を確認したり、算数では百ます計算やフラッシュ計算をこなしたり、理科・社会科では一問一答クイズを解答したりすることができる。
◆ジャストシステム「スマイルゼミ 小学生コース」
教科書の内容をしっかり定着させる「標準クラス」と、教科書のレベルを超えた応用問題や中学入試過去問も含む「発展クラス」の2クラスあり、目指す学力に応じて選べる。学習状況に応じて表彰される仕組みや、勉強した分だけマンガやアプリを楽しめる仕掛けで意欲を維持させる。「おでかけモード」では、ネット環境がなくても使えるため、移動中や待ち時間にも学習できる。
◆リクルート「勉強サプリ」
理解度レベルに応じて、基礎・応用の2レベルから選択できる。小学4年生から中学3年生までの授業内容をすべて見られるので、得意科目は学年を越えて先取り、苦手科目は前の学年に戻って勉強することができる。勉強時間と内容を保護者に通知するレポートメール機能がある。
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タブレットを利用した通信教育は、たとえば、「地方に住んでいて近所に学習塾がない」「塾は費用が高いので経済的に厳しい」「学校の授業だけでは物足りないが、通塾する時間がない」といった需要にも応える。これからの発展に期待したい。