子どもを見守る安心と喜び、園と保護者を繋ぐ連絡帳アプリ「mimory」の効果とは

 保育現場と家庭を繋ぐアプリ「mimory(みもりー)」を導入した経緯や効果、そして保護者からの反応を、つるみAsa保育園の佐藤千景園長に聞いた。

教育ICT 保護者
PR
園が実際に保護者に送った写真の例
  • 園が実際に保護者に送った写真の例
  • 園が実際に保護者に送った写真の例 お散歩のようすも、スマホで写真を撮るのと変わらない操作性でパシャリ、そして送信
  • にこやかにインタビューに答えるつるみAsa保育園の佐藤千景園長 (撮影:市原達也)
  • mimory 園の先生の操作画面例
  • mimory 園から緊急連絡を行う場合の画面例
  • mimory ひとめでわかるよう工夫された出欠確認画面
  • mimory
◆初めてのICT導入、デジタル慣れした保護者に抵抗感なし

 「お母さま方はもちろん、現場の保育士もスマートフォンやパソコンに慣れている20代、30代のIT世代であることから、導入することに特に不安や課題はありませんでした。導入前は保護者の方にアプリに関する説明書をお渡ししただけでしたが、導入してからも大きなトラブルや混乱は見受けられません。想定していたよりも、スムーズに皆さんにご利用いただけていますね。」(佐藤園長)

 こども未来研究所がモニター園25施設を対象に実施した「mimory利用園アンケート報告」によると、比較的多くの園で子どもが小さいころからデジタル機器に触れたり、利用する体験の必要性を感じていることがわかっている。こども未来研究所はこの反応に関して「現場は、積極的に活用をしていくというスタンスではなく、時代の流れとして必要になってくると感じている印象」と分析しており、Wi-Fi環境やデジタルデバイスを活用する環境を整えるには試行錯誤が必要だと指摘している。また、デジタル環境の整備に必要性を感じていながらも、多くの園で、実際に利用しているデジタル機器はPCやタブレットのみで、その利用範囲も事務処理や資料作成にとどまっているという。

 鶴見Asa保育園も、事務利用以外ではDVDプレイヤーやテレビ、iPadなどのデジタルデバイスを一切利用してこなかった。いわば、まったくICT機器を利用する土壌のない中での「mimory」導入だったが、保育士や保護者の反応は上々だったようす。佐藤園長によると、「mimory」の動作環境はおもにスマートフォンであるため、園での様子を見たいという気持ちからフィーチャーフォン(ガラケー)をスマートフォンに機種変更した保護者もいたそうだ。

 「連絡帳がアプリ化することに関し、親御さんに困ったようすはなかったように思います。中には、先生方の手間が増えるのではないか、と保育士のことを心配してくださった方もいたくらいです。やはり、導入に関し混乱や抵抗感がなかったのは、保護者の皆さんや園のスタッフが普段からデジタル機器に慣れている世代であることが大きいと思います。」(佐藤園長)

◆家では見られない子どもの一面が届く喜び

 導入に際し問題はなかったという「mimory」だが、その後の保護者からの反応はどうか。

 「自然体のお子さんの姿をお知らせしているため、保護者から『嬉しい』『会議中だったけど何度も見てしまいました』『安心しました』といった感想をいただくようになりました。

 保護者が知りたいのは、親のいない間の"本当の子どもの表情"です。保育参観も行っていますが、保護者がいる場ではあくまでも子どもたちは保護者といるときの顔をしているものです。だからこそ、現場では本当の保育中の子どもたちの姿を写真で届けるようにしていますし、その点が保護者にも喜んでいただけているのだと思います。

 私たち自身、家では見られない園での子どものようすをお届けできることで、園と保護者が一緒にお子さまを見守っている、という気持ちを持つようになりました。「mimory」を利用することで、保護者の皆さんとの絆が強くなったような気がします。」と佐藤園長は嬉しそうに話してくれた。

【次ページ】現場の作業負担も軽減…すきま時間にスマホで撮影
《佐藤亜希》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top