小学校の外国語活動は「教員の指導力に悩み」あり

教育・受験 先生

 日本英語検定協会の英語教育研究センターは4月28日、「小学校の外国語活動および英語活動等に関する現状調査」の結果を発表した。外国語活動の導入により児童の理解・能力向上などの効果を感じる一方で、教員の指導力・英語力の悩みや負担も多いことがわかった。

 同調査は、小学校現場における外国語活動のカリキュラムの編成・指導方法・教材の選択などの取組みや、抱えている不安要素・課題などについてアンケートを実施するもので、平成22年より毎年行われている。今回は平成27年12月に全国の国・公・私立小学校から抽出した3,000校に対して調査を依頼し、回答を得た1,144件について集計しまとめた。

 外国語活動の担当者については、5・6年生では「現在の担当者」が「HRT(学級担任)」85.1%、「ALT」84.1%の順に多く、「英語専科教員」はわずか12.4%にとどまった。一方「望ましい担当者」については、「ALT」79.5%、「英語専科教員」57.8%、「HRT」53.1%の順に多く、現状と理想に大きな差がみられる。

 1・2年生の外国語活動については、「必要」「どちらかといえば必要」が75.7%となり、昨年度の72.5%から微増。国・私立では90%前後、公立のみでも74%が「必要」と回答している。

 教員研修については、「参加している」は76.6%で、昨年度の70.1%から微増。研修内容は、「公費(または無料)の教育委員会等の集合研修」93.5%が最多、ついで「自費で自己学習(英会話スクール・通信教育等)」14.2%となり、その差は大きい。もっとも必要と思われる研修内容は「指導力」57.9%、ついで「教員自身の英語力向上」19%となった。

 モジュールの活用については、「どちらともいえない」47.9%、「よいと思う」36.9%、「よいとは思わない」14.6%となり、全体ではやや肯定的であるといえる。「よいと思う」理由については、「外国語は短時間でも多く触れた方がいい」62.4%、「外国語の時間確保が難しい場合、モジュールが活用できる」22.4%の順に多かった。

 デジタル教材の使用については、「現在使用しているICT機器」は先生が「PC」72.1%。児童は「電子黒板」12.6%が最多だが、「無回答」66.7%から児童は直接使用していない場合が多いと考えられる。「将来的に使用してみたいICT機器」は、先生・児童ともに「タブレット」が最多となった。

 5・6年生の外国語活動が教科化された場合の1週間あたりの時間および形態については、全体では「授業1時間(45分)」53.5%が最多であったが、国・私立では「授業2時間(45分2回)」との回答が約半数で最多となった。

 5・6年生での読み書きを含めた指導については、「賛成」「どちらかといえば賛成」が70.7%で、私立では96.6%とほとんどが賛成派となった。賛成の理由は、「中学での学習との連携」27.3%、「中学入学前に文字への抵抗が減る」23.2%の順に多く、一方で反対の理由は「児童の負担・不安」49.8%、「別の指導内容を優先するべき」30.3%の順に多かった。

 5・6年生の外国語活動における問題・課題については、もっとも優先度が高いと感じているのが「教員の指導力・技術」、ついで「指導内容・方法」「ALTとの連携および打合わせ時間」と続いた。活動の進み具合については、88%が「順調」「課題はあるが順調」と回答した。

 外国語活動の導入が教員・児童に与える影響や変化については、プラス面として「児童の外国語や異文化への理解向上」69.7%、「児童のコミュニケーション能力や積極性の向上」41%、「児童の英語力向上」39%の順に高かった。一方でマイナス面では、「教員の指導力等の悩み」52.3%、「教員の負担」43.4%、「ALTとの連携不足」44%などが高く、今後の課題が浮き彫りとなった。
《荻田和子》

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