帰国生の中学受験、一般入試との違いや帰国タイミングの考え方

 受験は帰国生とその家族にとって、大きな悩みではないだろうか。「私立の中高一貫校に通いたい」「進学したい学校に帰国生枠はあるのだろうか」「そもそもどんな準備をすればいいのか」…。疑問や不安はつきない。

教育・受験 小学生
SAPIX 国際教育センターの赤嶺修一郎本部長
  • SAPIX 国際教育センターの赤嶺修一郎本部長
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 受験は帰国生とその家族にとって、大きな悩みではないだろうか。「私立の中高一貫校に通いたい」「進学したい学校に帰国生枠はあるのだろうか」「そもそもどんな準備をすればいいのか」…。疑問や不安はつきない。

 ならば専門家に聞くのが一番だろうということで、帰国生の受験対策、海外在住者向けの帰国入試・進学セミナー、さらに日本人学生の海外大学進学の指導、支援を行っているSAPIX 国際教育センターの赤嶺修一郎本部長に話を聞いた。

◆帰国生入試の定員は少ないが増加傾向

 赤嶺氏は、SAPIX小学部で長年中学受験生の指導をしてきた講師経験者でもある。その赤嶺氏は、帰国生の中学受験について次のように語る。

 「まず、私立の中高一貫校で、帰国生枠の入試を実施しているのは全体の1/3程度ですが、募集定員を若干名とする学校が多く、全体の定員は少ないです。若干名が実際に何名なのかは学校によりますので、詳細は各校に問い合わせてみるとよいでしょう。帰国生入試を実施する学校は、少しずつですが増える傾向にあります。」

 また、帰国生枠の対象条件は、海外生活が何年以上、帰国後何年以内など、学校により異なるようだ。

◆帰国生には入試チャンスが多い

 帰国生の中学受験のもうひとつの特徴は試験日にもある。

 「たとえば東京や神奈川の場合、一般入試の解禁日は2月1日となっていますが、帰国生枠の入試はそれより前に設定されることが多いのです。実践女子学園(第1回)は11月後半ですし、頌栄女子学院(第1回)や広尾学園は12月、聖光学院、白百合学園は1月にそれぞれ入試が実施されます。そのため、帰国生枠で受験し、一般入試でも受験できるなど、選択肢が増えるという考え方もできます。」

 もちろん、一般入試と帰国生入試では問題が異なったり、合格基準が違っていたりするので、両方の入試に向けた対策は必要になる。帰国生の受験条件が、帰国後2年以内、3年以内といった場合、一般入試の対策にも十分な時間がある。帰国生だからと、その枠に縛られる必要はなさそうだ。

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《中尾真二》

中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。エレクトロニクス、コンピュータの専門知識を活かし、セキュリティ、オートモーティブ、教育関係と幅広いメディアで取材・執筆活動を展開。ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から使っている。

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