ゲーム風教材とSNSが融合、ライフイズテックの新サービス「MOZER」始動

 ライフイズテックは6月15日、ゲーム風のインターフェイスでプログラミングを学べる教材コンテンツと、制作物の発表・意見交換ができるSNSが融合した新サービス「MOZER」を発表した。あわせて同日、体験版カリキュラム『デイジーと秘密のメッセージ』を公開した。

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ライフイズテックCTOの橋本善久氏(左)と代表取締役CEOの水野雄介氏(右) 撮影:冨岡晶
  • ライフイズテックCTOの橋本善久氏(左)と代表取締役CEOの水野雄介氏(右) 撮影:冨岡晶
  • 「MOZER」(マザー)体験版トップ画面
  • 体験版カリキュラム「デイジーと秘密のメッセージ」
  • ストーリー仕立ての教材
  • 柔軟な画面デザインで学習可能
  • 秋から搭載されるSNS機能のイメージ
  • 秋から搭載されるSNS機能のイメージ
  • 代表取締役CEOの水野雄介氏、「中高生1人1人の可能性を伸ばす」ことがライフイズテックの使命とのこと 撮影:冨岡晶
 ライフイズテックは6月15日、ゲーム風のインターフェイスでプログラミングを学べる教材コンテンツと、制作物の発表・意見交換ができるSNSが融合した新サービス「MOZER」を発表した。あわせて、本日からMOZER体験版カリキュラム「デイジーと秘密のメッセージ」も公開されている。

◆地域・経済格差をはねのける新オンライン学習サービス

 「MOZER(マザー)」は、地域格差や経済格差によらず、誰でもプログラミング教育が受けられるように開発された、新しいオンライン学習サービスだ。中高生を中心層としつつ、大人でも楽しみながら学習できるように設計されている。現在は、カリキュラム(教材コンテンツ)のみの提供だが、今秋以降には、コミュニティ(SNS)機能を搭載する予定。さらに、学習コースの拡充、モバイル版の提供なども行う。

 「MOZER」のカリキュラムは、架空の街を舞台としたストーリー仕立てとなっており、生徒は主人公役として住民たちの悩みを解決したり、謎を解いたりしながら、プログラミングについて学習する仕組み。物語に連動しゲームのように楽しめることで、モチベーションを維持できる。また、ただ問題が出されるのではなく、「なぜ、どういうニーズがあって、そのプログラミングをするのか」などが説明されることで、学習に没入できるという。キャラクターや舞台設定は、少し可愛さを持ちながら、リアリティのある造形となっている。

◆ゲーム開発のプロも協力 体験版の公開もスタート

 学習システムは柔軟なインターフェイスを採用。固定の画面が存在せず、必要に応じて全画面表示を行ったり、分割画面でプログラムのソースコードを表示し、リアルタイム連携したり、といったことを可能としている。画面上にはストーリーの進行役となるキャラクターも登場し、学習のポイントにあわせて移動し、生徒を誘導するという。

 サービスの開発は、元スクウェア・エニックスCTOで、現ライフイズテックCTOの橋本善久氏を中心としたチームが手掛けている。体験版カリキュラム「デイジーと秘密のメッセージ」は、Webデザイン学習(HTMLやCSSを使ったホームページ作成)を4時間程度で習う内容となっている。現在は3チャプターが配信されており、以降、毎週水曜日に2、3チャプターずつ配信される予定(全12チャプター)。これらもすべて、無料で体験可能だ。

 「MOZER」はすでに、2015年12月に150人ほどの生徒を対象にしたテスト利用も行っており、通常のカリキュラム(PDFファイルベース)のものに比べ、5分の1まで学習時間の短縮効果があったほか、生徒の高い集中が見られたという。

◆プログラミング×SNSで作品公開、相互評価も可能に

 今秋から搭載されるコミュニティ(SNS)機能では、自分で制作した作品を公開することで、利用者同士が作品を評価し合ったり、相談し合ったり、共同で作品を作ったりできるとのこと。学習の進捗管理システムも用意される。

 発表会に登壇したライフイズテック代表取締役の水野雄介CEOによると、「Facebookに近いシステムだが、コミュニティが利用者層で分かれていることと、制作物を投稿し発表できること」が、ほかのSNSにない特徴だとしている。水野CEOは、こうしたコミュニティ機能により「高校生が、中学生に教えてあげたり、シンガポールの人が、日本の生徒を助けてあげたり、といったことが起こりうる」と説明している。なお、青少年が利用することを考慮し、セキュリティやリテラシー面などにも配慮しているとの説明があった。

 さらに、人気コンテンツとのコラボ第一弾として、講談社「進撃の巨人」とのコラボレーションを実施。こちらはエレンなど「進撃の巨人」のキャラクターが登場し、ストーリーの進行役を務めるという。水野CEOによると、中高生にも人気が高い作品であること、同社開発メンバーがマンガが好きなことなどから、同作の採用に至ったという。現在その他コンテンツやキャラクターとのコラボも、「3つぐらいが計画中」だと言う。こうしたコラボは、学校にさまざまな個性的な先生がいるように、「MOZER」では、個性的なさまざまなコラボカリキュラムが用意される、といったイメージだ。

◆正式スタートは年内 「子どもも日本も変化する時期」

 「MOZER」では、Java、C#、Ruby、Swiftなどのプログラミング言語、Webデザイン、ゲーム開発、スマホアプリ開発、Webサービス開発、人工知能、3DCG、VR、IoTなど、さまざまなコースを順次拡充。正式な開始時期は2016年内で、月額1,500円(1コース、学割料金)からの提供を予定している。価格ラインアップは、内容や年齢に応じて複数用意される見込み。1,500円、という料金設定は「子どもが“自分のお小遣いから出して、プログラミングを学習したい”と思ったときに、出せる額」(水野CEO)として想定したという。

 水野CEOは、「アプリを作ったりすることで、世の中が良くなったり、誰かが喜んだりしてくれる。こうして初めて子どもが“社会”と繋がることで、ほかの人も自分も幸せにできる確率が高まる」と、プログラミング教育の意義を説明。さらに「経済を発展されるのにもプログラミングが現代は必要。プログラミング教育は、今後間違いなく世界中で活発化する。子どもも日本も、変化する時期に来ている」とコメントしている。ライフイズテックは、2020年までに1,000万人の利用を目指す。

 本日からロンドンで開催されるEdTechの祭典「EdTechXEurope 2016」への出展にあわせ、6月16日には「MOZER」英語版も発表される予定だ。
《冨岡晶》

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