文部科学省の専門家会議は3月29日、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)における中学校の英語の実施について、最終報告を公表した。中学3年生を対象に平成31年度(2019年度)から3年に一度、「聞く」「読む」「書く」「話す」の4技能のテストを実施するとした。 最終報告は、「全国的な学力調査に関する専門家会議」が、3月29日の会合で公表した。これによると、英語の調査は他教科と同様、すべての中学3年生を対象に4月に実施。「学校や生徒の負担を考慮すれば、国語・数学・理科と同一日に実施する必要がある」とし、実施頻度は「当面は、理科と同様に3年に一度程度」と示した。 具体的には、「聞く」「読む」「書く」の3技能テストをおおむね45分程度で実施。「話す」テストは、3技能の調査後に別途実施し、調査時間は準備時間なども含め、生徒1人あたりおおむね10分程度(調査時間は5分程度、準備や入退室にかかわる時間5分程度)。 「話す」テストの実施体制などに関するヒアリング調査では、全生徒を対象とする調査の実施に対して、各学校の採点体制、授業などへの負担に関する意見が多かった。また、「話す」テストの検収では、総じてどの観点においても採点が一致しない率が高く、特に音読や総合的に評価を行う問題で一致しない率が高かったという。 そのため、「話す」テストの採点方法・体制、検収の在り方については、採点の妥当性・信頼性、学校の関与の在り方、技術開発の可能性、人的・時間的コストなどの条件も踏まえ、コンピューターやタブレットなどを活用して採点を行うことも含め、全国的な調査が可能となる方法で実施することが必要と結論付けている。 実施方法は、「聞く」はDVDなどによる一斉実施とマークシート式、「読む」はマークシート式、「書く」は記述式などの調査問題、「話す」はコンピューターやタブレットなどを活用した音声録音による調査とした。 問題構成は、「主として『知識』に関する問題(A問題)」と「主として『活用』に関する問題(B問題)」を一体的に問うものとして作成。「聞く」「読む」「話す(やり取り)」「話す(発表)」「書く」という5つの領域に統合型を含めた形式で行う。 知識・技能を総合的に活用して思考・判断・表現する力のイメージ例としては、「話すこと(やり取り)」は「日常的な話題について、与えられた質問に対して、自分の考えや気持ちなどを話して相手に伝える力」、「話すこと(発表)」は「日常的な話題について、視覚情報なども参考にしながら、簡単な英語を用いて即興で話すことができるようにする」と示している。 平成31年度の実施に向け、平成30年度に抽出によって予備調査を実施。平成29年度は詳細な調査の設計を行い、予備調査実施に必要な問題作成などの諸準備を行う必要があるという。 なお、次期中学校学習指導要領は、現時点で平成33年度から実施される予定。平成31年度に実施する全国学力テストは、次期学習指導要領の方向性を踏まえつつ現行学習指導要領のもとで実施し、次期学習指導要領のもとで学習する生徒が中学3年生になった以降から、次期学習指導要領に基づく調査にするとしている。
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