千葉大学教育学部の藤川大祐教授はストップイットジャパンの協力のもと、いじめに対して子どもたちが「脱・傍観者」の視点に立ち、いじめの予防や解決方法を話し合う授業「私たちの選択肢」を開発した。DVD付き冊子を無償で配布している。 メディアリテラシー教育やいじめに関する研究などを行う藤川大祐教授は、敬愛大学の阿部学講師、柏市教育委員会、ストップイットジャパンと連携して脱いじめ傍観者プログラム「私たちの選択肢」を開発した。2017年5月より、千葉県柏市の中学校全20校の1年生を対象に順次授業が行われている。 千葉大学、名古屋大学、静岡大学の共同研究によると、いじめの発生にはクラスの雰囲気が関係するという。「私たちの選択肢」はこの研究成果をもとに開発。子どもたちが「脱・傍観者」の視点に立ち、いじめの予防や解決方法を話し合い、考えることを目的としている。 授業の対象は小学校高学年から中学3年生。動画教材には、いじめを傍観していた中学生の主人公が登場する。授業を受ける児童生徒は、ドラマの主人公の立場になって今後の展開を選択。どのストーリーに進むかは生徒ひとりひとりの選択が授業に反映され、選ばれた展開によりそれぞれ異なるエンディングが用意されている。 また、授業の最後には伝えたいことをまとめた解説映像を視聴し、児童生徒が行動することの大切さや工夫していじめをやめる行動をとることの重要性を理解できるよう工夫されている。 冊子には、45分~50分の授業で実践できるモデル指導案や柏市で実施された授業のアンケート結果を掲載。映像教材とワークシートを収録したDVDが付いている。指導案やワークシート、授業内で学級全体の選択を決定できる「抽選アプリ」は「私たちの選択肢」専用Webサイトよりダウンロードできる。