学生の就職希望…地域限定正社員72.6%、文系女子は85.3%

 労働政策研究・研修機構は2017年12月26日、「大学生・大学院生の多様な採用に対するニーズ調査」の結果速報を公表した。応募意向は地域限定正社員72.6%、職務限定正社員58.0%、勤務時間限定正社員51.8%。いずれも女子学生の方が相対的に高い割合を示した。

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就職活動開始時の限定正社員に対する応募意向
  • 就職活動開始時の限定正社員に対する応募意向
  • 就職活動開始時の希望就職先
  • 就職活動開始時の地域限定正社員に対する応募意向
  • 就職活動開始時の職務限定正社員に対する応募意向
  • 職務限定正社員の応募意向のある学生が希望する職種
  • 就職活動開始時の勤務時間限定正社員に対する応募意向
  • 勤務時間限定正社員の応募意向のある学生が希望する勤務時間
  • 就職予定先企業での働き方
 労働政策研究・研修機構は2017年12月26日、「大学生・大学院生の多様な採用に対するニーズ調査」の結果速報を公表した。応募意向は地域限定正社員72.6%、職務限定正社員58.0%、勤務時間限定正社員51.8%。いずれも女子学生のほうが相対的に高い割合を示した。

 「大学生・大学院生の多様な採用に対するニーズ調査」は、政府の働き方改革実行計画が掲げる多様な選考・採用機会の拡大に向けた検討のため、基礎資料を提供することが目的。2018年春以降に就職予定の大学生・大学院生5,601人を対象に2017年7月5~13日に実施した。

 希望する就職先企業は「勤務地が限定される全国規模の企業」が40.0%ともっとも多く、「全国転勤がある全国規模の企業」29.5%、「海外展開もしている企業」27.3%と続いた。女子学生のほうが勤務地が限定される企業を希望する傾向が高く、「勤務地が限定される全国規模の企業」は文系・理系とも47.0%、「特定の地域に展開する企業」は文系32.7%、理系29.8%であった。

 地域限定正社員に「ぜひ応募したい」「処遇に大きな差がなければ応募したい」とする学生は計72.6%。性別・文理別にみると、特に文系の女子学生は85.3%と、応募意向割合が相対的に高かった。地域限定正社員の応募を希望する学生の現居住地域は、東京圏36.7%、名古屋圏8.7%、大阪圏19.5%。東京・名古屋・大阪の三大都市圏が64.9%を占めた。

 職務限定正社員への応募意向がある割合は、学生合計で58.0%。性別・文理別にみると、特に理系の女子学生が67.5%と相対的に高かった。希望する職種は、理系は「大学・大学院の専攻に直結した仕事」が高く、特に理系男子学生では62.7%にのぼった。文系の男子学生は「一般事務」「営業」、文系の女子学生は「一般事務」を希望する割合が高かった。

 勤務時間限定正社員への応募意向は、学生合計で51.8%。勤務時間限定正社員の応募を希望する学生のうち82.0%は残業がないことを希望しており、所定内勤務時間が短いことよりも残業がないことを重視する傾向があった。

 一方、内定を得て就職活動を終えた学生の就職予定先企業での働き方については、「限定のない一般の正社員」が67.7%を占め、「地域限定正社員」は21.8%、「勤務限定正社員」16.1%、「勤務時間限定正社員」2.8%であった。

 就職活動開始時の応募意向と就職予定先企業での働き方を比較すると、応募意向学生のうち就職予定先企業で実際に希望の働き方を予定している学生は、地域限定正社員が28.6%、職務限定正社員が24.3%、勤務時間限定正社員が4.4%となっている。

 限定正社員や契約社員から一般の正社員希望に変えた学生のうち、希望する働き方が変わったおもな理由は「希望している企業の中では、その働き方でしか求人している企業がないから」35.2%、「その働き方でしか内定を得られないと思うから」23.5%だった。

 通年募集や秋季募集が多ければよいと思う学生は60.6%。理由では「就職活動に時間をかけて自分に合った企業を見極めたいから」が61.2%ともっとも多く、ついで「希望する就職先の候補が複数あり、採用スケジュールが重なるのを避けたいから」47.9%と続いた。
《奥山直美》

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