2020年度からの大学入試改革により、センター試験廃止など入試が変わることを知っている中高生は49.0%と半数以下であることが河合塾の調査より明らかになった。ただし、難易度の高い大学を志望する親子ほど認知度が高かった。 「2020年度大学入試改革に関する意識調査」は、大学受験を予定している中学1年生~高校2年生の男女とその保護者を対象に実施したもの。各学年男女50名ずつ、計500名より回答を得た。調査期間は2018年5月26日~5月31日。 2020年度に大学入試改革により、センター試験廃止など大学入試が変わることを知っている親は59.2%。当事者である子どもの認知度は49.0%と半数を下回った。大学入試や進学に関する情報収集について、親の53.8%、子どもの56.8%が「情報収集をしていない」と回答。2020年度の大学入試改革を初めて迎える現高校1年生でも、「情報収集をしている」は約半数であった。 ただし、旧帝大を志望する親子においては、大学入試改革の内容の認知度が親76.4%、子ども81.1%。大学入試や進学に関する情報収集を積極的にしているのは親34.5%、子ども37.7%と、全体に比べ非常に高かった。 情報収集の手段は、「塾や予備校の説明会」「学校説明会」を利用している親子が多く、Webサイトよりも実際の現場や人を通した手段で情報を集めていることもわかった。 大学入試改革が行われることに対して、「やや不安」「とても不安」と回答したのは親77.8%、子ども71.6%と高い。具体的な不安要素として、「入試に対して十分な情報収集・対策ができているか」「漠然とした不安」などがあげられ、十分な情報収集ができていないことが一因であると推測される。 また、親子で共通して「英語について不安がある」という回答も多かった。英語について不安を感じる理由は、「学校の授業と入試問題のギャップ」親・子ども各47%、「英検やTOEICなど外部試験の必要性」親40.4%、子ども35.0%などであった。大学入試改革に向けて親は教育現場に「スピーキングを含む英語力の強化」を期待しており、「学校以外でも英語の勉強をする必要性がある」と親75.8%、子ども73.6%が感じていた 大学入試改革により、志望高校や志望大学の選択に影響するかを聞いたところ、親52.0%、子ども50.8%が「影響する」と回答した。この結果を受けて河合塾は、「大学入試改革の内容が具体的にわからないため、漠然とした不安が募り、志望校への影響にまで発展しているケースも少なからずある」と分析。「本当に行きたい大学、なりたい将来を実現するために、正確な情報を積極的に入手し、早めに対策することが必要」とコメントしている。